家事が得意な方や好きな方へ向けて、家政婦や家事代行サービスがどんな仕事であるかをご説明させていただきます。一企業の考察になりますが、極力スタッフ目線の価値観を表現しました。“会社としてかくあるべき”というご説明ではないことだけはご理解いただけると幸いです。

 ベッドメイク

 

1.時給単価よりも大切な事

家事代行サービスの求人を見ると、通常のアルバイトと比べて時給単価はやや高めに表現されていることが多いです。これはサービスの特性上、お客様宅に訪問してからがサービス開始となるためです。

お客様宅への移動時間は30分以内(乗換も最大1回迄)が理想です。なんなら徒歩圏がベストです。

 

全体の拘束時間で考えた場合、電車移動が長くなると、時給900円のアルバイトとさほど変わらない状況になります。

 

 

①徒歩15分でスーパーのレジ

 時給900円×4時間=3,600円

 4時間30分拘束

 

 

②電車移動45分の家事代行

 時給1,300円×3時間=3,900円+交通費

 4時間30分拘束

 

 

 

時給単価以上に、「顧客がどんなところに住んでいるか」が重要な要素になります。後述しますが、家事代行サービスを仕事にする上で「家事以外に必要なスキル」に関わって来るので、“なんとなく家事が好きだから”という状態では、会社に良いように使われてしまいます。

 

 

 

2.家の家事とサービスの家事は全く違う

 

当たり前のことかもしれませんが、サービスとしての家事は自分の家の家事とは異なります。

意識として最も違うポイントは「完了させなければならない」という事です。シンクの洗い物の場合、自分の家ならコップ一つ洗うくらいでスポンジに洗剤を付けないことがあるかもしませんが、サービスでは違います。要望があった箇所(台所・洗面・風呂・トイレ・リビング等々)や内容(掃除・料理・シッター)を時間内に完遂することが求められます。

 

掃除であれば、自分の家は“自分がキレイだと感じる部屋にする“、家事代行サービスは”誰が見てもキレイだと感じる部屋にする“という目標の違いが出てきます。

 

 

 

3.家事以外に求められるスキル 

 

家事代行サービスは、仕事の中身は掃除、外身は時間管理と表現できます。

非常に当たり前の話をしますが、家を出る時間は顧客宅に到着すべき時間から逆算していく必要があります。顧客は本質的に“他人を家に入れたくない”と思っていますので、信用を得るために遅刻は厳禁です。

 

本来、家事に終わりはありません。ただし、家事代行は家事を仕事にしているので、3時間ならば“3時間相応の家事“をする必要があります。洗濯機を回すのはボタン一つかもしれませんが、アイロンでシャツ1枚仕上げるのには個人差が生まれます。

 

事前に打ち合わせた仕事内容を時間通りに済ませ、ミスが無いかチェックする工程などまでを頭の中で組み立て、時間管理するスキルが求められます。

 

※難しい事の様に書きましたが、実際にやってみると難ない事だったりしますのでご安心ください。

 

また、顧客が在宅している中でサービスを提供するケースもありますので、当然接客対応は必要になります。掃除・シッター・料理と、どんな作業であれ直接的、間接的に人柄が評価されます。

もちろん価値観や立場の違う人間同士ですから相性はありますが、「掃除だけキッチリやっていれば問題無い」という考えではこの仕事は長続きしません。

 

 

 

4.継続する事

 

  

家事代行サービスは、基本的に1顧客あたり週1回程度の頻度で定期的に作業に伺います。継続して伺うことで顧客との関係値を築くことが出来ます。もちろん仕事の内容についても顧客と自分相互の“慣れ”に繋がるので、良い距離感を保ちながら仕事を続けていくために、お仕事を継続することは重要です。

 

また、単純な話ですが家事は肉体労働です。

 

身体を動かす作業なので繰り返す所作に筋肉が追いつくのに時間がかかります。

1日に2件・3件と家事をする体力を養うためには少し長い期間で見るとよいです。

 

 

5.会社や顧客と良い距離感を保つべき

 

家事代行サービスのスタッフは、会社と業務委託契約を結ぶ場合が多いです。契約を交わした会社との関係性はその契約書に記載されています。

 

もちろん契約書ですから、双方の立場に立って◯◯だった場合、△△だった場合を想定して記載されています。交通費や超過作業の場合の対応、昇給の評価制度など、事前に確認しておくと良いです。

 

家事にトラブルはつきものですので、緊急時の対応やリスクが不明確であれば直接聞いて確認しましょう。

 

 

また、顧客との距離感も重要です。

 

あまり親密になり過ぎると、給与にならない業務を依頼されることもあります。顧客から直接契約をもちかけられる事もありますが、上記の会社との契約にも記載があるため問題が起きた時のリスクは絶大的に大きいはずです。

 

また補足ですが、顧客宅は、大抵ご自身よりも世帯年収が高い家庭の場合があります。

同じように家庭を持っていたり、同じ世代だったりすると色々と比べてしまう事もあるかもしれませんが、仕事として考えるために、知らなくて良い事も中にはあるかもしれません。

 

 

 

6.家事代行は人を救う仕事

 

最後に知っていてほしい事として、“家事“はその気になれば顧客自身でも出来るということです。しかし、決して安くない金額を支払って家事代行サービスを利用するのですから、それなりの理由があります。

 

 

例えば、子どもがまだ幼く育児と家事の両立が難しいといった状況であれば、一般的には、まず親に手助けを求めます。共働きでお互いに忙しい時でも、家事の分担がきっちり出来ていれば家事代行サービスは不要になります。

 

 

しかし実際はそんなに上手くいかないものです。毎日の家事に手が回らない時、誰かに手助けしてほしいと思う時、“家事代行サービス“は家庭の救世主とも言える存在に成り得ます。

 

 

目の前の誰かの為に仕事をするのも良いなと思う瞬間は、家事代行サービスを仕事にするからこそ感じる事かもしれません。