弊社(株式会社ピナイ・インターナショナル)は、2017年2月末をもって、民泊の清掃代行サービス事業から撤退しました。関わった民泊ホスト様・運用代行様には大変ご迷惑おかけしました。申し訳ございません。

本投稿は、弊社の民泊清掃サービスが撤退に至った理由と、今後の糧として可能な限り詳細を記載して(皮肉ながら)今後の民泊の発展に繋げて頂ければと考えております。

民泊清掃サービスとは何か

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民泊清掃サービスとは、ホスト(民泊を提供する方)のお宅を清掃するサービスです。主にゲスト(民泊を利用した方)が退去された当日?翌日に合わせてご訪問するため、「出張するホテル清掃」と考えて頂ければ大きな相違はありません。民泊を経営する上で、最も手間のかかり、絶対に必要な清掃業務を代行することで「居心地の良い空間」を再現し続けてきました。

なぜ撤退に至ったか

端的に申し上げると、サービスのクオリティの維持と価格が両立出来なかった事です。清掃料金は、Airbnbを始めとする民泊マッチングサイトでも明示されているため、最終的な価格のジャッジはゲストが行います。

そのため、競争の激しい地域であれば熾烈な価格競争が発生します。ホスト個人・運用代行会社どちらも「清掃にかけるお金は◯◯円」という相場観が存在するため、撤退を決意するまでに値上げを断行したことはありませんでした。

1.数値面の説明

・請求に対しての人件費率を下げることが困難な価格設定であった。
 最終時点での人件費率は60%?65%で、下げるためには大幅な値上げと、見積もりに関する作業の見直しが必要だった。
・売上に関しては年末時点で数百万円程度、建物数は100戸超。物件数で800件程。薄利多売の世界。
・清掃スタッフ(アルバイトまたは業務委託)の確保と早期教育に最低でも3週間が必要なので、◯◯件を保有するホストから受注しても早期に対応が難しい

2.なぜ「撤退」か

民泊物件は、Airbnbの提唱する「驚きの体験」を基礎として個性的な物件が存在します。それ故に、個別の特徴、ホストの拘り、ホストが設定したサービス等々細かな違いが存在します。

民泊清掃サービスを提供し続けるためには、ホスト様からの要望を受け付け対応する必要があります。故に個別の物件には個別の特徴があり、ピナイのサービスレベルで対応するためにはかなり細かいマニュアルを必要とします。(家事代行サービスを提供する身としてSLAを引き下げる事が出来ませんでした。)

また、初回作業時にマニュアル制作※のためには必ず1物件に1度は社員が向かう必要があります。その作業は1日に3件以上行うことは不可能です。このマニュアル作成作業と物件増加量をさばくためには一定数以上の社員が必要となることが大きな要因。

通常は仕事が増えれば増えただけ楽になるものだが、ピナイにおける民泊清掃はサービスを過剰に良くしたことから仕事が増えれば増えただけ社員負担がかかることで常時人員不足が続く結果となりました。(規模が大きくなっても平準化できず、不足の事態に対応出来る労力が必要になった)

クオリティ確保には清掃スタッフへの教育と雇用の保証は最も重要な項目であり、清掃スタッフの入れ替わりに対応して教育を続ける終わりのないマラソンが成立してしまった。

上記の理由から、社員に対するケアが行き届かないため、複数の社員から面談で「民泊清掃は続けるのは難しい」と率直な意見を貰う結果となり撤退に至りました。

※補足:民泊清掃は作業日が不定期になるため清掃スタッフの人員を固定出来ない都合がありました。そのためクオリティの平準化のために清掃マニュアル+Before・Afterの写真報告が必須となっています。

清掃管理の難しさと超えられなかった壁

・多くの問題は計算の自動化や予約システムの導入で越えられるが、今回のように細かい要望を引き受けるサービスの提供を行う場合、最終的なクレーム対応に関しての負荷は終わりがなくなる。
 →サービスの品質を場合によっては引き下げて、効率化を目指す取り組みに至れなかった。

・件数の増加に伴って「鍵がない」「ゲストが出て行っていない」といった現地トラブルの事例も多くなり、通常業務を圧迫していた。
 →トラブル防止策のためにホスト様との連携が不十分、トラブルの傾向と対応策があったかもしれない。

今後の取り組み

ここは少し営業っぽくなります。

・家事代行サービスが本業なので「ピナイ家政婦サービス」を根幹に据えて、サービスを提供する現場の人間・スタッフへの教育機能を強化していく予定です。
・家事代行サービスを拡充させて、子育てに関わる業務領域の拡大が出来ればと考えています。
・同時に東京都で外国人労働者が解禁され、先日その事業者として認証を頂いたため、フィリピン人家政婦の雇用強化を行います。
・3月から、単身者向けの廉価版サービスとして、「ピナイ家政婦サービスLite」をリリースしました。月額23,880円という低価格で提供するので今までと異なるターゲットに向けたアプローチを検討していきます。