1.年の差は27才!バリバリの昭和の男と結婚したら…
年の差は27才!ジェネレーションギャップに苦労!
主人と結婚したのは私が26才の時でした。当時主人は52才でしたから、年の差は27才。
ちょうど、堺正章さんや加藤茶さんが年下の奥様と結婚されたときです。
年の差があれば、当然、ジェネレーションギャップが生まれます。そして、そのギャップは音楽の趣味や映画の好みなど笑えるものばかりではありません。
苦労することは多々ありましたが、特に大変だったのが家事分担です。
主人は昭和30年代の生まれで、家事や家事の道具は男性が使うものではないという考え方を持っていました。「家事=女性の仕事」だから家事の道具は基本的に触らないのです。
そして、炊飯器や掃除機を見るたびに「便利な時代だなぁ」と昔を今を比べるような発言。嫌みではなかったようですが、まるで「楽なんだからいいだろう」と言われているようであまりいい気持ちではありませんでした。昭和初期の大変だった時代と今を比べる…ジェネレーションギャップといっていいのかわかりませんが「便利な道具があっても家事は大変」とわかってもらえずに、私がキレてしまって大げんかをしたこともありました。
結婚観と子供
家事分担とはあまり関係ありませんが、結婚観や子供については主人とはぴったりと感覚があっていました。
形式より気持ちや誰と一緒にいるかを大切にするという感覚には、ジェネレーションギャップはありませんでした。結婚しておく方がいろいろな手続き上、便利というところもありました。
私は「家事分担をしてくれるなら子供はつくってもいい」と思っているのですが、私も主人もそれぞれに趣味があり、したいことや行きたいところもあるので積極的には子供を求めないというスタンスも一致していました。もちろん、授かれば生みますが、子供がいなくても自分の人生を楽しみたいと考えています。
共働きだから家事分担は必須
主人の職業は飲食店経営、私は飲食店を少し手伝いつつ物書きの仕事をするという共働きです。店は自宅から車で5分ほどで「昼までにくればいい」というスタイルですから、会社勤めの方のように定時出勤の必要がないので私の負担は軽めです。ですが、それでも共働きですから、家事分担はして貰わないと困る状況でした。
田舎の漁師町の長男
主人は、田舎の漁師町の生まれで、しかも長男、おまけに大きな家に生まれていたので幼いころからかなり大切に育てられてきたのです。
それ自体は悪いことではありませんが、家事分担をするときにこの田舎特有の感覚がかなり邪魔だったのは言うまでもありません。
2.男子厨房にはいるべからず?!
分担するという感覚がないし、そもそもできない
主人は幼いことから「男子厨房にはいるべからず」と言われて育った人間です。つまり家事…特に料理や洗濯、後片付け、掃除などは女性がする仕事という感覚を持っていました。
なので、当たり前のように家では家事の類は何もしませんでした。空気が読めないとか偉そうという感じではなく、そもそも自分がするべきこととして認識していないのです。
そして、そうやって育ったものだから基本的な家事が何もできないのです。あるとき、家事分担を進めるなかで「お漬物を切ってほしい」とお願いしたことがありました。
すると主人はまな板の上に白菜の漬物を置いて、包丁を持って考えこんでしまったのです。「どうしたの?」と聞いてみると、「切り方がわからないし、これは洗ったほうがいいのかもわからない」と。
後から聞いた話ですが「時代が流れで家事分担が当たり前になっているのはなんとなく知っていたけど、やり方がわからなくてできなかった」というのです。
自分がするべきことは何もいわなくてもやる
家事をしない男とは言っても、力仕事や日曜大工、電球の取り換えなどはなにも言わなくても自分から動いてしてくれるという一面がありました。
つまり、主人の中では力仕事や危ない仕事、虫退治や身長が必要な電球の取り換えなどは”男の仕事”という認識をしているのです。
だから、私が何もいわなくても電球は取り換かえるし、重いものの運んでくれるのです。その一方で、家事と言われることはしない!この徹底した仕事意識を改革するためにいろいろな工夫をしました。
3.意識改革と工夫
喧嘩にならないようにしていても
家事分担の問題は時に、夫婦喧嘩の引き金になります。私も、できるだけ喧嘩はしたくないと思いつつも、喧嘩に発展したことがありました。
私たち夫婦の場合、喧嘩の原因は「家事をやってくれ」と頼まない私が我慢の限界を超えて主人にキレるという形が多く、主人に言わせれば「頼まれたらやるんだから」というわけです。
いつも家事をしている側からすれば「空気読んでよ!」とか「いつも当たり前だと思ってるのか!」「言われなくてもそっちから声かけてよ」とか思う訳ですが、待っていてもイライラが募るばかり。そして、手伝ってくれるのを待つのは、言葉なしではなかなか伝わらないのです。
特に、アラフィフの主人の世代の場合、家事は基本が女性の仕事で「頼まれたらやるもの」という感覚が根付いていました。主人に言わせれば「人の仕事に頼まれてもないのに口出しするのは良くない」とのことでした。
共働きと時代の違いを意識させるための意識改革大作戦
「頼まれたらする」わけですから、頼まれても何もしないよりずっとマシですが、私が変えたかったのは根底にある「家事は女性の仕事」という感覚でした。
そこで考えたのが、主人に「男子厨房にはいるべからず」と教え「家事は女性の仕事」だと教えた主人のお母さんやおばあちゃんと私の環境の違いです。
主人のお母さんもおばあちゃんも基本的には専業主婦でした。そして、大きな家だったのでお手伝いさんもいたというのです。そういう環境の女性と在宅でも働いている私とは環境が大幅に違います。この違いを主人はどう思っているのかと聞いてみたのです。
すると少し考えてから「確かにそうだな」と以外にもすんなりと環境の違いを認めたのです。
子供の頃から教えられた「家事は女性の仕事」という感覚を壊すために、必要だったのは感情的になって怒ることではなく「なぜ、分担しないといけないのか」を明確にすることでした。そして、明確化の為に別の工夫もしました。
具体的に仕事の分担の比率を示してみた
主人に「家事は女性の仕事」と教えたお母さんやおばあちゃんとの環境が違うと説明した上で、次に明確化したのが「今現在の仕事負担の比率」です。
私たち夫婦の場合、稼ぎは主人の方がやや多く生活費とローン主人が持ち、税金や貯蓄、交際費などは私が支払うというシステムです。我が家の場合、お互いの稼ぎと支出の比率はだいたい同じくらいでした。
家事は私がしている掃除、洗濯、料理、その他の雑用と、主人がしている電球の取り換えや荷物運び、日曜大工などでは明らかに仕事量と頻度が違います。
そこで、この不公平感をなんとかするためにリストを作りました。
私がしていること
①掃除(リビング、寝室、風呂、台所)…毎日 (庭、テラス、硝子)…週1
②洗濯…毎日
③料理…1日3回
④買い物…毎日
旦那がしていること
①電球の取り換え…半年に1回程度
②荷物運び…週1
こうやって明確化した理由は、主人の感覚の中に”比率”というものが皆無だったからです。こうすることで、私の負担が多いことを理解させるという作戦でした。
こうやって具体的に文字で私の負担が多くなっている現状を見せると、主人は「俺はどれだったらできるか?」と案外素直に、家事分担を受け入れました。そして、風呂掃除と洗濯物の取り込み、そして庭掃除を任せることに…そして、二人でできる硝子拭きは一緒にするように提案しました。
ポイントは適材適所
先ほどご紹介した家事分担で、主人の方に料理を入れなかったのは、主人の料理スキルが壊滅的だったからです。これは、大惨事を防ぐための私なりの工夫です。大切なのは、無理なく出来そうな作業を振り分けるということです。もともとできない人に「家事分担だからやれ!」と言ってもそれは無理です。家事分担でも重要なのは、適材適所です。
やり方を教える
適所適所という考え方のもと振り分けることに成功しましたが、それでもそもそも家事をしたことがない人が掃除やら洗濯物の取り込みをするのですから”教える”ことが必要でした。
正直なところ、教えるのは面倒だし「私がやった方が早いよ!」とイライラしたこともありました。ですが、ここは我慢ポイントです。ここで教えておけば、あとはスムーズに作業が進むわけです。ですから短期を起こして「もういい私がやる!」と言わない努力をかなりしました。
洗濯物の取り込み方とたたみ方、庭掃除の道具の説明にテラスを掃除と風呂掃除の手順、そしてコツを根気よく教えること数回…もともと凝り性で器用なところがあり職人気質の主人は”出来なかったことが出来るようになる”のが楽しくなったようで、みるみる成長!
今では、私が何も言わなくても掃除をしてくれますし、分担リストに入れていない家事もしてくれるようになりました。そして家事分担を進めてよかったことが主人が便利グッズを見つけて買ってくるようになったことです。
高圧洗浄機やスチームクリーナー、ロボット掃除機などを主人からすすんで買うようになったのです。主人曰く「やってみて大変さが解ったし、家電にも興味が沸いた」とのことでした。
4.まとめ
親子ほど歳の差がある主人との家事分担は、ジェネレーションギャップや育ちによる様々な要因との戦いでもありました。
大切なのは家事を「自分の仕事」として認識してもらうことと、家事のやり方を教えることでした。
苦労はしましたが、負担がどちらか片方に偏らないようにすることをしっかりと説明し、意識改革にも成功…。今では、しっかりと家事分担をしてくれるようになりました。