ベテランライターAYAMEさんが考える「水濡れ厳禁の場所も使える!除菌効果も高いアルコールを掃除に活用する方法」

 

 

2020年初頭から世界中に大流行したCOVID-19により、アルコールに注目が集まりました。アルコールには優れた除菌効果があるので、これを機に家に常備するようになったご家庭も多いことでしょう。アルコールは手や物の除菌に使えるだけではありません。普段の掃除にも活用できます。特に、中性洗剤では落ちない汚れやカビを落とすのに適しているのです。さらに、精密機械など水濡れ厳禁の場所を掃除するのにも使えます。今回は、アルコールを利用した掃除方法や掃除する際の注意点などを解説しましょう。ストックしているアルコールを有効活用したいと思っている方は、ぜひこの記事を参考に掃除に取り入れてみてください。

 

アルコール・無水エタノールの基礎知識

アルコールの掃除への活用術をご紹介する前に、アルコールや無水エタノールとは何かということを解説します。アルコールと無水エタノールの違い、それぞれの特徴はなんでしょうか?

 

 

アルコールとは何か?

 

 

私たちがホームセンターやスーパーなどで購買できるアルコールは、エチルアルコール(エタノール)という種類です。お酒も消毒用のアルコールも成分には変わりありません。高濃度のアルコールは非常に強い殺菌作用を持ちます。また、アルコールは非常に揮発性が高く、水に溶けやすいのが特徴です。

 

 

無水エタノールとは水をほとんど含まないエタノールのこと

 

無水エタノールとは、その名のとおり水をほとんど含まない、濃度99.5%のエタノールです。水性・油性両方の汚れを落とすことができます。また、揮発性が高くアルコールを塗布した後でそれを拭き取る必要がありません。そのため、水濡れ厳禁の精密機器などの掃除にも使えます。その一方で、短時間で揮発してしまうので殺菌・消毒効果は期待できません。さらに、刺激も強いので皮膚につくとただれてしまうこともあります。

 

 

消毒用アルコールは無水エタノールに水をくわえた物

 

「消毒用アルコール」として販売されている製品は、無水エタノールに精製水を加えて約77%~80%に濃度を調整したものです。この濃度だと皮膚につけてもただれにくく、揮発するのに時間がかかり、消毒効果や殺菌効果が現れます。

 

 

アルコール度が70%~80%のものが掃除におすすめ

 

つまり、無水エタノールに精製水を入れれば、濃度を調整して消毒用アルコールを作ることができます。なお、アルコールは濃度30%~40%あれば除菌効果があります。市販のアルコールスプレーやアルコールが主成分の除菌ウエットシートなどは、肌への負担を考えて

 

濃度59%以下という製品も多いのです。しかし、水分が多くなるほど揮発に時間がかかり、アルコールが先に揮発し、残った水分の中で雑菌が繁殖することもあります。ですから、掃除に使うならば、無水エタノールか、アルコール度7080%の消毒用アルコールがおすすめです。

 

 

アルコールを掃除に利用するメリット

 

 

では、アルコールを掃除に利用するとどのようなメリットがあるのでしょうか? ここではその一例を紹介します。

 

 

水性の汚れも油性の汚れも落とせる

 

前述したように、アルコールは水性の汚れも油性の汚れも落とすことができます。汚れによって洗剤を変える必要がなく、家中を掃除することができるでしょう。

 

 

除菌ができる

 

水分は、雑菌やカビ・ぬめりなどが発生する原因となります。アルコールは殺菌作用があるうえに揮発性が高いので、水と同じように使えて除菌も可能です。特に、キッチンなど清潔さを保ちたい場所はアルコールでの掃除がおすすめです。

 

 

 

臭い取りにも使える

 

臭いの原因はほとんどが雑菌です。ですから、アルコールを掃除に使えば臭い取りの効果もあります。タッパー類など臭いがつきやすい食器の洗浄にもおすすめです。また、トイレやお風呂、クローゼットの消臭などにも使えます。

 

 

カビ取りにも使える

 

カビはお風呂のような水回りだけでなく、カビや畳などにも生えます。場所によっては漂白剤が使えないこともあるでしょう。そんなときにもアルコールは役立ちます。カビ取りに使えるのはもちろんのこと、新しくカビが生えるのを防ぐ効果もあるのです。

 

 

 

アルコールを使った掃除のやり方

 

この項では、場所別にアルコールを使った掃除のやり方を解説します。濃度7080%のアルコールと無水エタノールの使い分け方なども説明するので、ぜひ参考にしてください。

 

 

精密機械の掃除には無水エタノール

 

液晶テレビや有機ELテレビの表面、パソコンのディスプレイ、スマートフォンなどの、水濡れ厳禁の精密機械の掃除には、無水エタノールを使いましょう。前述したように無水エタノールはとても刺激が強いので、使う際は必ずゴム手袋、もしくは使い捨てのビニール手袋をはめてください。無水エタノールは水と同じように布に染みこませ、汚れを拭き取ります。

 

細かい場所は綿棒を利用するといいでしょう。また、子供が液晶画面にマジックやクレヨンで落書をしてしまったという場合も、無水エタノールできれいに落とすことができます。なお、掃除をする前に必ず機械の電源を抜き、無水エタノールが完全に蒸発したら再びコンセントを入れましょう。

 

 

キッチン掃除にもアルコールは最適

 

キッチンは食材を扱う場所ですから、常に清潔に保ちたいものです。そこで、調理器具やガス台、冷蔵庫・電子レンジ内などは消毒用アルコールで掃除しましょう。洗剤のようにスプレー容器にいれたアルコールを一拭きし、清潔な布で汚れを落としてください。冷蔵庫や電子レンジ内の除菌にもなります。前述したように、タッパーなど臭いが落ちにくい食器の臭い落とし、ゴムパッキンのカビ取りなどにも便利です。

 

 

手垢汚れ落とし

 

スイッチ周りなど、手垢がつきやすい場所は家の中にたくさんあります。手垢は皮脂にホコリなどがくっついたもので、市販の洗剤でもなかなか落とせません。手垢落としにもアルコールは使えます。細かい部分などは綿棒を使うといいでしょう。また、ホコリの汚れだけでもアルコールを使って掃除すると単なる水拭きよりもよく落ちます。

 

 

窓掃除

 

窓掃除は水拭きが一般的ですが、乾くと跡が残ってしまいがちです。アルコールならば水よりもずっと早く揮発するので、拭き跡が残りません。また、窓パッキンのカビ落としにも使えます。水と同じ感覚で使えるので、汚れに気がついたらさっとスプレーして布でこすってみましょう。

 

 

お風呂やトイレのカビ予防と除菌

 

お風呂やトイレは常に水分があり、カビや汚れが発生しやすい場所です。毎日小まめに掃除をするのが一番ですが、それが難しい場合は、定期的にアルコールをスプレーしておきましょう。カビ予防や除菌になります。また、浴室の鏡掃除にもアルコールは効果的です。窓と同じで跡がつかず、石鹸カスなどの汚れもよく落ちます。

 

 

畳や壁のカビ取り

 

室内の湿度が高いと、畳や壁にカビが生えることもあります。また、押し入れやクローゼットの中もカビが生えやすい場所です。市販のカビ取り剤は木材、畳などに使えないものも多いのですが、アルコールならば畳や木材でも使えます。また、揮発性が高いので二度拭きの必要もありません。カビに吹き付け、歯ブラシなど目の細かいブラシでカビをかき出し、掃除機でカビを吸い取りましょう。キレイになったら再度アルコールをスプレーしておけば、カビ予防にもなります。

 

 

アルコールの匂いはアロマオイルで中和する

 

アルコールには独特の匂いがあります。それが苦手という方もいるでしょう。その場合は、お好きなアロマオイルを数滴加えると匂いが中和できることがあります。たとえば、お風呂やトイレにアロマオイル入りのアルコールをスプレーしておけば、芳香剤代わりになるでしょう。また、レモンユーカリやシトロネラ・ゼロニウム・レモングラスなどは虫除けの効果があります。アルコールに混ぜて網戸や窓にスプレーしておくのもおすすめです。

 

 

 

アルコールを掃除に使う際の注意点

 

この項では、アルコールを掃除に使う際の注意点を紹介します。安全に掃除をするためには、どんなことに気をつければいいのでしょうか?

 

 

 

掃除は換気をして行う

 

 

前述したように、アルコールには独特の臭気があります。そして揮発性も高いので気化したアルコールを空気と一緒に吸い込んでしまうこともあるでしょう。アルコールに弱い人だと気分が悪くなることもあります。アルコールを使った掃除をする場合は、必ず換気しながら掃除しましょう。

 

 

火気厳禁

 

無水エタノールや濃度70%以上のアルコールは消防法により、危険物(第四類アルコール類)に定められています。アルコールの引火点は13度とかなり低いので、ちょっとした火類があれば室温で引火するので注意が必要です。アルコールを使った掃除をする場合は、必ず火気がないことを確認しましょう。また、コンロを掃除する場合はアルコールが完全に揮発していることを確認してから転嫁してください。意外に見落としがちなのが、通電の際や静電気に生じる火花です。電化製品を無水エタノールや70%以上の濃度のアルコールで清掃する際は、通電の際に気をつけてください。

 

 

一部使えないものもある

 

ニスを塗った製品や革製品・発泡スチロール製品は、アルコールで成分が変性したり溶けたりしてしまいます。一例を挙げると、ニスを塗った家具、フローリング・発泡スチロールの容器などは高濃度のアルコールを吹きかけないようにしてください。特に、革製品はバッグや靴などたくさんの種類があります。除菌目的で革製品にアルコールをかけないようにも注意しましょう。なお、フローリングにアルコールをかけてしまった場合は、ワックスの塗り直しが必要になることもあります。

 

 

保管場所に気をつける

 

無水エタノールや高濃度のアルコールは、粘膜や肌をただれさせます。強い匂いがありますが、見た目は無色透明な水なので、幼児や高齢者が間違って手に取らない火気のない場所で保管しましょう。また、無水エタノールや高濃度のアルコールを市販のスプレーボトルに入れ替える場合は、PE(ポリエチレン)とPP(ポリプロピレン)の表示があるものを選びましょう。ほかの素材もコーティングなどを施してあればアルコールを入れることができますが、表示には記されていないので、避けた方が無難です。

 

 

 

掃除以外でのアルコール活用法

 

高濃度のアルコールや無水エタノールは、掃除以外にも以下のようなことに使えます。

 

・シールを剝がした後のベタベタを取る

・油性ペンやクレヨンの落書を消す

 

特に、お子様のいる家庭では、子供が色々なところにシールを貼ってしまったり落書をしてしまったりすることも珍しくありません。シールを剝がせても、ベタベタが残ることもよくあります。無水エタノールをベタベタに振りかけ、少し時間をおいてからこすってみましょう。油性ペンやクレヨンの落書も同様です。専用の洗剤もありますが、無水エタノールの方が用途が広いのでおすすめです。

 

無水エタノールから消毒用アルコールを作る方法

 

無水エタノールを購入したが、消毒用アルコールの方が使い勝手がよいことに気付いたという場合は、無水エタノールに精製水を20%加えましょう。そうすれば、濃度7780%の消毒用アルコールができます。水道水やミネラルウォーターでは雑菌が入っているため、使わないようにしてください。精製水は薬局やネットショッピングで販売しています。なお、無水エタノールは揮発性が高いので、100mlの消毒用アルコールを造る場合、揮発具合を確認しながら、無水エタノール80mlに対し精製水2025ml入れましょう。

 

 

 

まとめ

 

今回は、無水エタノールや消毒用アルコールを掃除に活用する方法を紹介しました。専用の洗剤を何種類も買いそろえるより、無水エタノールや消毒用アルコールを一本常備しておく方が掃除に役立ちます。COVID-19の流行で消毒用アルコールをたくさん購入したが、手指の消毒以外は使い道がないという人も、掃除で活用してみてください。除菌効果もあるので、これからの季節、感染症予防にも役立ちます。