重曹とは何か?家事代行のプロ指導員が教える良い点・悪い点

この記事を書いた人
ポギーK
家事代行トレーナー

ピナイ家政婦サービスの教育担当「ポギーK」です。家事代行トレーナー歴8年。これまで指導したフィリピン人スタッフは100名を超える。日々いかに効率的に掃除をするか、どうやったら汚れが落ちるかを考えているプロフェッショナル。

こんにちは、家事代行トレーナーのポギーKと申します。今回は「オーガニック系洗剤」の代表格『重曹』についてご紹介していきます。

特に小さいお子さまのいるご家庭では「洗剤はオーガニック系を選ぶ」と決めている方も多いかと思いますので、この記事でしっかり重曹についての理解を深めてもらえればと思います。

オーガニック洗剤について

まずはオーガニック洗剤がここ数年でクローズアップされている背景をご説明します。

今までの普通の洗剤というのはいわゆる石油系の洗剤、化学系の洗剤となります。「合成界面活性剤」が配合されていて、汚れが落ちやすいという一方で環境面や人体への影響が懸念されます。

一方でオーガニック洗剤は自然由来の「天然界面活性剤」を使っているものになります。化学的な物質が使われていないため環境や肌にも優しいということですね。

昨今の環境問題への意識の高まりや、エコな商品の選択肢が広がってきたことによってオーガニック系洗剤がクローズアップされてきているのです。

実際に家事代行の仕事でお客様宅に伺うと、特に小さいお子様がいるご家庭で「掃除をする時に合成洗剤を使わないでほしい」「できればオーガニック系の洗剤を使ってほしい」とリクエストいただくケースもあります。

そういった中で我々としても家事代行スタッフに重曹やクエン酸等のオーガニック洗剤の使い方を教える機会も多くあるのです。

SDGsとオーガニック洗剤

また最近ではテレビや雑誌などでもよく取り上げられるSDGsの文脈でもオーガニック洗剤は語られています。

2015年9月の国連サミットで採択されたSDGs(エスディージーズ)「持続可能な開発目標」にて、国際社会での共通目標が定められております。2030年までに達成する「17の目標」と「169のターゲット(具体目標)」があり、環境問題のみならず貧困や働き方、ジェンダー平等など多岐にわたっています。

画像引用:日本ユニセフ協会

17の目標の中に「目標14 海の豊かさを守ろう」という項目がありますが、これは文字通り海洋汚染や海洋生物の保全といった内容の目標になっています。

先述の化学的な物質から作られた洗剤の汚水を海に流した場合、微生物の餌となり生態系のバランスが崩れる原因となり、水質汚染の原因になってしまいます。一方で自然由来のオーガニック洗剤は微生物の生態系に影響を与えず、海洋環境の保全につながります。

持続可能な開発目標、すべてのことを一度にやるのは難しくても、身の回りのできることから変えていきたいですよね。

ph値で見る洗剤の違い

重曹とは何か?家事代行のプロ指導員が教える賢い使い方

ピナイ家政婦サービスの動画でも重曹を解説しています

↑の写真をご覧ください。ホワイトボード左上に「PH値(ペーハー値)」と書いてますが、覚えてますでしょうか?高校の化学の授業で習いましたよね。これは0から14までの数値で液体が「酸性」「中性」「アルカリ性」なのかを表した尺度です。

一番左端の「0」のところは酸性で、例えば塩酸は酸性で「PH値0」ということになります。そして右端の「PH値14」、これは水酸化ナトリウムでアルカリ性。このようになっています。

ちょうど真ん中の「7」、ここが水ということになります。

今回取り上げているオーガニック系の洗剤についても、酸性なのかアルカリ性なのか同じように分けられます。例えばクエン酸だったら「PH値2」、お酢も同じですがほぼ塩酸という感じになってますね。

それに対して重曹は、「PH値8.2」です。(画像内ではPH値8として表してます)

セスキに関しては「PH値9」、アルカリ電解水は「PH値12~13」ということでちょっと手がヌルヌルするなという感じです。

重曹とは何か?家事代行のプロ指導員が教える良い点・悪い点

洗剤の選び方

ここまで色々な洗剤が「酸性」「中性」「アルカリ性」、PH値によって分類されるということを見てきました。

ここで重要なのは、お掃除をする上で「汚れに適した洗剤を使いましょう」ということです。

例えば、基本的に酸性の汚れに対してはアルカリ性の洗剤を使います。アルカリ性の汚れに対しては酸性の洗剤を使います。

中和させて汚れを取る」というのがお掃除の基本的な考え方になりますので、まずはここを押さえておいてください。

クエン酸だったらアルカリ性の汚れに使うわけですが、ではアルカリ性の汚れは何があるかというとトイレのおしっこの汚れですよね。おしっこはアンモニアですからアルカリ性ですよね。それはクエン酸を使いましょう。他にも石鹸カスとか水垢もアルカリ性なので、クエン酸を使うことになります。

重曹とは何か?家事代行のプロ指導員が教える良い点・悪い点

逆に、焦げ付きや皮脂の汚れであったりといったものは酸性に分類されるので、アルカリ性の洗剤を使うことになるわけです。

家の中の汚れについては、どちらかというと酸性のものが多いので、よく使う洗剤というのはアルカリ性のものが多いということになります。(合成洗剤の大半はPH値8~11のアルカリ性)

重曹とは何か?家事代行のプロ指導員が教える良い点・悪い点

重曹について

さて、ここから重曹の話になりますが、重曹の成分は「炭酸水素ナトリウム」です。別名「重炭酸ソーダ」でこれを略して重曹なのです。

ちなみに英語で重曹は「Baking Soda」と言いまして、いわゆる膨らし粉(ふくらしこ)ですね。重曹は掃除用としてのイメージが強いかもしれませんが、食用としても使われています。人体にもある成分を使っているので基本的に無害で、そのあたりが「ナチュラルクリーニング」としても受け入れられているポイントですね。ただし、掃除用の重曹を食用には使えませんので、そこはしっかりパッケージ等を確認してください。(基本的に掃除用品として売られているので間違えることはないと思います)

PH8の重曹はアルカリ性に分類されるものなので酸性の汚れに使います。酸性の汚れといえば上で説明してきたとおり、油汚れや皮脂の汚れ、焦げ付きなどになります。重曹はそういった汚れに対して使います。そのあたりの用途は重曹のパッケージにも書いてあるので参照してみてください。

そして、重曹が他のセスキやアルカリ電解水と違う点は「重曹の研磨剤」にあります。削って落とすということですね。

重曹は基本的に水に溶けにくいという性質を持っていて、一番優れた使い方はお鍋の焦げ付きをゴリゴリしながら落とすというのが典型的な重曹の使い方になります。他に油汚れであったり手垢汚れについてももちろん使えますが、洗浄力自体はあまり強くありません。

重曹とは何か?家事代行のプロ指導員が教える良い点・悪い点

また、重曹はニオイも中和する効果もありますのでトイレの消臭や冷蔵庫の消臭にも使えますが、それはどちらかというと補助的な使い方です。

重曹の良いところ・悪いところ

そんな最近よく取り上げられることの多い重曹なのですが、合成洗剤と比べて良いところと悪いところ何でしょうか。

体や環境に優しい

オーガニック洗剤である重曹の良いところは、やはり体や環境に優しいという点です。子育て中のご家庭などは、お子さまが床とかを舐めてしまったりということは日常的にあるかと思いますが、そういった場合でも人体への影響というのを考えるとやはりオーガニック系はより安心です。

洗浄力が強力なのは合成洗剤になりますが、環境への影響や洗い物をして手荒れが気になるという方はぜひ使ってみてはいかがでしょうか。これはご家庭によって選ぶ基準が変わるかと思いますが、しっかり選んで使いたいですね。

たくさんの用途に使える

これまでもご紹介してきた通り、様々な用途に重曹は活用できます。

油汚れなどに対して使えるのはもちろん、消臭剤として、洗濯用として、入浴剤や歯磨き粉なんて使い方もあります。粉末の重曹はそのままでも使えますが、水に溶かして重曹水にしたり、水で練って重曹ペーストにするなどによっても活用方法が変わってきます。

この記事内では細かい使用方法はご紹介できませんが、目的の用途にあわせてご活用ください。

天然素材やアルミ製品には注意

ここからは重曹のデメリット・注意点をご紹介していきます。まずは使えない素材として、天然の木や畳みなどの素材やアルミ等の金属製品に使うと変色やシミの原因になってしまうのでご注意ください。

また、研磨作用も強いのでシルク等のデリケートな素材などは注意して使うようにしましょう。

保管場所にも注意

重曹はその特性上、湿気を吸うと固まってしまいます。粉末の重曹を保管するときは密閉した容器に入れ、直射日光に当たらない場所に置いておく必要があります。

また、基本的に自作の重曹水や重曹ペーストの保管はNG。作った場合はその日に使い切ってしまうようにしましょう。

重曹とは何か?家事代行のプロ指導員が教える良い点・悪い点

重曹をベースにした色々な商品の販売されているので、用途に合わせて選ぶようにしましょう。

まとめ

重曹とは何か?家事代行のプロ指導員が教える良い点・悪い点

今回は最近話題になることの多いオーガニック洗剤、中でも重曹を中心に解説してきました。

環境問題への関心が高まる中、お子さまのいる家庭を中心に家事代行の中でもオーガニック洗剤を使用した掃除を求める声が増えてきております。

重曹は用途が多彩なため扱いが難しいイメージもあるかもしれませんが、正しく使うと重曹一つで色々なことに使えるのでとても便利です。基本的には酸性の汚れに使えるものですが、キッチン周りの油汚れの他にも消臭剤や洗濯用、入浴剤や歯磨き粉としても使用可能です。

一方で天然素材には使いにくかったり保管場所に注意が必要であったりはしますが、体や環境に優しい重曹はメリットがたくさん。

ぜひ上手に活用してみてくださいね。

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