0歳児を保育園に預けて共働きする夫婦へインタビューしました

内閣府が推し進める「女性が輝く社会」の政策によって、夫婦で働き・夫婦で子育てする家庭が増加しています。企業も優秀な人材を確保するために時短勤務を許容するなどの動きがあり、人材サービスのAdecoが調査した結果では、ワーキングマザーの復職期間は1年以上2年未満が最も多く、別の調査で20代の若い世代では復職後のキャリアアップにも積極的という結果になったそうです。

 

今回は、そんな復職を希望した女性の声として、0歳児を保育園に預けて働いている夫婦にインタビューして、家事の分担・生活や悩み・今後の目標などをお聞きしました。

 

[夫婦の情報]

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家族構成:夫(35歳)妻(34歳)息子(9ヶ月)

結婚歴 :10年

 妻のRさんは、IT企業の営業事務として、フルタイム勤務で働いていました。出産を機に育児休業を取得して、子どもが7ヶ月を過ぎて保育に慣れてきたタイミングで同じ会社に復職しました。その会社では男性社員が多く、産休後に復職する女性は前例が無かったため、時短勤務の制度を開始したそうです。

 

[インタビュー]

インタビュアー:本日はお忙しい中ありがとうございます。共稼ぎ夫婦の家事分担の実態という事でご意見頂きます。

Q.早速の質問ですが、勤務時間は何時から何時ごろでしょうか?

 

 奥様(以降:Rさん):9時〜17時です。通常の正社員より1時間早く退勤しています。

 

Q.子どもの送迎もあると思うのですが、17時退勤で間に合ってますか?

 

 Rさん:ギリギリです!でも少し遅れても大丈夫な保育園を選んだので助かってます。

 

Q.起床時間・就寝時間は大体何時になりますか?

 

 Rさん:朝は5時起きで、夜は子どもを9時までに寝かせて、翌日の準備とかして11時くらいには寝てます。眠いです。

 

Q.毎日育児と家事に追われている感覚かもしれませんが、Rさんのご両親も共働きでしたか?

 

 Rさん:思えばそうでしたね。子どもの頃はインスタント麺をアレンジしたり、簡単な料理くらいは自分でするよう教え込まれた気がします。

 

Q.一人暮らしの経験は?

 

 Rさん:学生寮が長かったので、一人というのはありませんでした。全寮制の高校だったので学食ばっかりでした。大学からは今の旦那と同棲していました。

 

家事分担について

Q.同棲の期間が長いと思うので家事の分担は決まったパターンがありますか?

 

 Rさん:いえ、子どもが生まれてからガラッと変わりましたね。当たり前ですが子ども中心の生活なのでお互いに家事しないと回らないです。

 

Q.旦那様との家事分担に不満はありますか?

 

 Rさん:今は大きな不満は無いです。今は離乳食の後期くらいなので、大人の料理は旦那が作るようにしてます。

 

Q.過去は不満があった?

 

 Rさん:ありましたね。私が家に帰ったら料理も掃除も洗濯もしないでぐうたらしてました。本気で話し合いをしたら変わってくれましたね。

 

Q.素直に家庭に参加してくれたのは何か理由が?

 

 Rさん:仕事の目標が出来たのが大きいんだと思います。モチベーションが上がって家庭も積極的になったようです。今では充実するために副業も探してるくらいですよ。

 

Q.「男性が家事に積極的」と言っても、気づかない細かな家事は残りますよね?

 

 Rさん:テーブルに置いてあるグラスとか、子どものお風呂中の家事とか、お願いしたいことはいくらでもあります。昔はそれで喧嘩とかしてましたが、今は諦めてます。細かなところでエネルギー使うのも疲れてしまうので。

 

Q.家事で困ったことはありますか?

 

 Rさん:モノが多くなってしまうのが困り事です。保育園には専用のタンスが用意されているくらい、着替えを何着も必要とするので家のタンスも全然足らないんです。離乳食用に冷蔵庫もパンパンって感じです。

 

子育てや夫婦の目標について

Q.2人目の子どもは計画していますか?

 

 Rさん:今のところはありませんね。話したりもしません。子どもも居るのでタイミングも無いです。

 

Q.共稼ぎ夫婦という事で、夫婦の目標は何かありますか?

 

 Rさん:旦那は自分の店(飲食店)をやりたい。って考えているようで、今はその貯金している感じです。だから2人目もそれ次第なのかなって思います。

 

Q.かなり先のお話になりますが、ご夫婦の教育方針は具体的になっていますか?

 

 Rさん:まだ0歳なので細かくは考えてないです。ただ、旦那は料理に興味を持ってもらいたいようで、大人のご飯を作る姿を積極的に見せている気がします。

 

Q.保育園ではトラブルも想定されますが、教育方針は話し合いますか?

 

 Rさん:子どもがキョトンとしている雰囲気があるので、旦那は「殴ったら殴り返せるように踏ん張る子になって欲しい」そうです。私は優しい子が良いなぁと思うので少し違いがありますね。

 

[さいごに]

訊かれないと言葉にしない事もあったようでRさんも「そう言われてみれば」と、ご自身の家庭のことで発見も多かったようです。

職場復帰を希望したのも、明るい性格のRさんが働きたい!と熱望した結果のようで、インタビューでは夫婦が互いに思いやる姿が見て取れました。

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共稼ぎ50代部長が部下の家庭相談に苦悩した話(寄稿)

とある製薬会社で部長職に就いている私は、1年前から共稼ぎをしている部下たちのために相談診療を始めました。(※一般人なので医療行為ではありません)

 

きっかけは、共稼ぎ生活をして疲れ切っていた2名の部下から、相談を受けたこと。

 

当時、この2名の部下には、私以外の上司がいましたが、なぜか私のところに、相談を投げてきたのです。これには疑問を持ちました。

でも私は、同じ部門の部下であることから、断ることも出来ずに相談を受けることにしました。

彼らが私に相談を持ちかけてきた理由を聞くと、私の妻が結婚後も看護師を続けており、ベテランの共稼ぎ夫婦だったからのようです。ちなみに子育ても終わり、成人した子供も2人います。それでいて、夫婦仲は良好というのでしょうか。何も問題がない、だから彼らの上司は、適当なことを言って、私に投げてきたようです。

 

この時、彼らの上司は私の部下、正直、忙しい私にこのような話をそのまま投げたことに怒りを感じました。

相談してきた彼らは、その上司から、私の妻が超忙しい救急の看護師をしていることも、話したようで、興味津々で私のオフィスにきたようです。

一瞬、私は彼らの上司を呼び出し、厳しい指導をしようかと思いましたが、相談の内容を聞いた後は、彼らに任せることは出来ないと思いました。

 

話の結果から先に言いますと、現在この2名の部下は、共稼ぎの問題が解決して幸せに暮らしています。

 

『共稼ぎ症候群』専門外来を始めました

『共稼ぎ症候群』初めての問診です。

 

症例1

商品開発部 男性社員 A氏 34歳 妻35歳 正社員 結婚5年 子供2人

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症状:家事をしたくない病 合併症として、家に帰りたくない病

問診結果:奧さんは、2人目の子供の保育園が決まったため復職をしました。それから2人で話し合い、家事を分担することに決めたそうです。しかし、今まで料理をした経験がないA氏は、料理をする度に奧さんから「これ、不味い」を連発されたそうです。それでも、3ヶ月は子供のためだと思い我慢をしていました。

その後A氏は、残業を理由に家事を放棄しはじめました。また、このことが原因で奧さんとのコミュニケーションがなくなり、不仲な夫婦になっています。

さらに、奧さんが煩い母親に似てきたため、怖いそうです。

 

 

症例2

商品開発部 女性 B氏 30歳 夫32歳 公務員 結婚3年 子供1人

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症状:夫を殴ってやりたい病

理由:育児休暇から復職をして4ヶ月が経過しました。B氏は、仕事が出来る優秀な社員です。しかし、ご主人が全く家事を手伝ってくれないそうです。そのため、一日中イライラした気分が続き、後輩社員に厳しく当たってしまいます。

家事を手伝ってくれない夫を、B氏は殴りたいそうです。

 

この問診後、私は草食系男子の弱さを痛感し、優秀な女性の気の強い性格を再確認しました。問診直後、2人に余計なことは言えないと思い、アドバイスはしないで席に戻しました。

ちなみに、このとき2人の相談を丸投げしてきた管理職が私のオフィスに入ってきたので、「バカやろう!」と叫んでしまいました。これは家庭の話ですが、社会人は問題解決が仕事です。安易に放り投げる管理職は許せなかったのです。

 

ともかく『共稼ぎ症候群』専門外来の初日、結局、私は何もできなかったのです。

 

 

看護師の妻に相談

急に始めることになった『共稼ぎ症候群』専門外来、その日、妻にLINEをして相談しました。

「変なことに巻き込まれた、どうしよう!」

妻からは、食事に行こうと返事がきました。

 

 

夜、妻と2人で食事に行き『共稼ぎ症候群』専門外来の2症例について相談をしました。そういえば、この『共稼ぎ症候群』専門外来と名前を付けたのはこの時の妻だった気がします。

 

妻にこの2症例について、「あなたはどうしたいの」と、私は訊かれました。

 

このとき、私は、パニックになりました。医療の専門家である妻だから相談したのに、この答えはないだろう、と。

しかし妻は、1つだけヒントをくれたのです。

 

それは結婚直後、私の趣味である登山に、妻が1回だけ同行したことがあった事についてです。

プロポーズの返事として、妻は”子どもを出産しても看護師の仕事を続けられるように協力すること”を条件にしてきました。言葉の上ではもちろんOKを出して結婚しましたが、妻が計画的に「1人目の子どもを産もう」と決心をしたのは登山のときであったと言われました。

 

私は、まったく知りませんでした。

 

この時、登った山は標高3,000mを超える北岳だったのです。妻は素人であったため、私は危険だからと止めたのです。しかし、妻は、私と知り合ってから初めて泣きながら、子どものように駄々をこねたのです。そのため、危険を承知の上で、北岳を2人で登りました。

妻は、そのとき、感じたことを簡素に話し始めました。

 

夫婦は、他人同士だから分からないことが多い。そのため妻は、出産後このまま看護師を続けるには、どうしても私の協力が必要であると考えたそうです。

妻が試したいことに私が不合格のときは、看護師を辞めることを決心していたそうです。

 

そして、その試験内容は、夫婦チームワークだったそうです。

山は、チームワークが出来ていないと大変なことになります。それも素人が登れないような山では心中になりますからね。妻は、私の愛を確かめたかったようです。

 

余談が長くなりましたが、妻からの『共稼ぎ症候群』治療のヒントは、夫婦のチームワークでありました。これは、夫婦の片方が病気になった時にも、使える言葉ですね。

 

自分が二人と同じ状況のとき

私は、相談してきた二人と同じような時期のことを思い出してみました。

私の夫婦生活は、妻が夜勤や連続勤務のときは、すべての家事を私がしてきました。

そして、私が仕事で忙しいときは、全ての家事を妻がしてきました。それも、どちらか一方が言い出すことはなかったのです。

それから、子供が生まれ、環境が変わりました。それでも、この自然な行動に、変化はなかったのです。

ただ年寄りが悦に浸ってるだけの話ですが、これは教えようがない「相手を思う気持ち」に尽きる気がします。この不確かで普遍的な潤滑剤をどう伝えて良いものか。

 

 

『共稼ぎ症候群』の治療開始

私は、妻のアドバイスをもとに『共稼ぎ症候群』専門外来で、2人の部下に治療を始めました。

ここで私が注意をしたことがあります。それも妻からのアドバイスです。

私が体育会系出身のため、イライラして怒鳴らないようにと忠告されました。妻は、今の若い人はすぐに萎縮するから、絶対に守ることと言われました。

 

症例1 

商品開発部 男性社員A氏34歳 妻35歳 正社員 結婚5年 子供2人

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彼は典型的な草食系男子です。仕事は優秀な方ではなく、商品開発部内でも目立つ存在ではなかったのです。

だから私のオフィスに呼び出すことが出来ませんでした。なぜなら、彼を呼び出すことで性格的に萎縮しそうだったからです。

それに、私が彼だけを特別扱いをしていると、他の社員に勘ぐられることを避けるためでもありました。

昔から、人が僻み始めるとチームワークが崩れるところを、私はたくさん経験してきたからです。

 

そこで私は、彼を昼食に誘うことにしました。当然、私と彼だけです。外来ですから!

これが、食事を始めると、社内とは違いベラベラと喋り出したのです。

そして彼によると、昔から母親の言うことを守るようにと育てられ、家事とは無関係な人生を過ごしてきたと言いました。

それから、彼より妻の年収が高いから、妻に逆らうことが出来なかったとも言われました。

 

個人的には、しっかりしろと彼に言いたかったのですが、私は妻の助言通りググッと我慢をしました。

それから、彼の家事に対する思いについて私はいろいろ質問をしました。その結果、掃除と洗濯はできますと自信をもって彼は言います。

しかし、料理の話しになると「不味い、不味い」と奧さんに言われるに対して、彼は心に深い傷があることを言いました。 

この翌日、私が使っていた簡単な料理方法が書かれた本を、プレゼントしました。

 

(再診)

それから1ヶ月後、私は、プレゼントをした本がどのような成果があったのか、そして、彼の家庭に変化があったか、彼の再診を行いました。

 

再診で、彼は昼食のウナギの蒲焼きに目を向けたまま、「他人は何でこんなに上手に調理が出来るのですか」と囁きました。

私は、彼の良い成果を聞きたかった気持ちに反省をしました。

それから私は、何も言わずに、ウナギの蒲焼きを一緒に食べました。

 

暫くすると、彼は店内を見渡し、他の客がいないことを確認してから、ぽつりぽつりと喋り出したのです。(彼は料理が出来ない自分の事を恥ずかしいと感じている様子でした)

彼は、家事当番の際に苦手な料理をすると慌ててしまい、調味料を間違えたり、魚や肉をこがしたりしたことを告白してくれました。

私は、彼が仕事をするときの段取りの悪さを知っていたので、言葉を圧し殺して聞くことに徹しました。

併発している家に帰りたくない病の病状について、起床時間や帰宅時間を訊ねてみました。 

彼の口からは、会社に行く1時間前に起床、帰宅は、家に帰りたくない病が治っていないので、パチンコに行っていますと答えてくれました。

 

私は、彼の『共稼ぎ症候群』を治療するために、料理本をプレゼントしたことで自己満足していたようです。1ヶ月経っても彼の病は治っていなかったのです。

 

その晩、私は、妻に怒られました。

 

症例1 妻から本当の指導について学ぶ 

私は、教科書通りに、1時間前の起床を30分ぐらい早くすること、パチンコをしないでこと、この2点を指導したと妻に話しました。

妻はそれでは治癒していない、もっとケアーをしないとダメ、私が妻から指導を受けました。

そして妻から、「人を支えるのには、自己免疫を利用しないとね、だから難しいのよ。」と。

この時、妻の看護師としての経験、人を見るスキルは、並の会社員である私の100倍はあるだろうと感じました。

人の命に関わる看護師としてのチームワークとケアー。

いずれも、私のような会社員には無縁の話、でも、もしかすると私たちに足りない部分かもと、私は思いました。

 

その後、私は、彼の自己免疫から出てくる力を待ちました。

そして、妻が教えてくれた『彼を信じること』、これがケアーよと、さらと言われたこと。とにかく、私は、彼自信から出てくる考える力を待ちました。

 

半年後、彼は、私のオフィスに来ました。

彼は太陽のような笑顔で、妻からはじめて美味しいと褒められましたと、報告がありました。

そして彼の起床は、会社へ行く1時間前⇢2時間前になり、最近、残業はしないで、まっすぐ家に帰るようになりました。と報告を受けたのです。

私は、彼の自己免疫が正常に動き出したことに感動をしました。

この夜、私は感謝の気持ちを込めて妻のために、肉じゃがとビールをテーブルの上に並べて、帰りと待ちました。

 

帰宅した妻は、彼のことを褒めましたが、私のケアーに関しては0点と評価がくだりました。

私が彼のケアーを怠っていたから、彼は半年も我慢したのよ。

 

私は、看護師の指導者である妻に、また怒られました。 さらに後日談ですが、その後、彼の家事への参加が影響して、彼の奧さんは管理職に抜擢されたようです

 

症例2

商品開発部 女性B氏30歳 夫32歳 公務員 結婚3年 子供1人

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産休を明けて、共稼ぎになったが夫が家事を手伝わないでイライラするB氏は、

問診でオフィスに来てから、頻繁に愚痴を言いに来ました。

これが、大変でした。

なぜなら、必ず私がオフィスでくつろいでいるときに、やってくるのです。

これでは、彼女のご主人が、逃げるのも仕方がないと思いました。

私は、このことを妻に相談すると、「聞いてあげなさい」と言われました。

ミイラ取りがミイラになる瞬間を垣間見た気がします。

でも、この日食べた妻のきんぴらごぼうは、世界一でありました。

 

彼女への治療は、とにかく愚痴を聞くことでありました。

彼女の気まぐれで、問診は、週に1〜2回になりました。

それに診療時間は、30分から1時間も費やされました。

業務に影響が出る、出ないの瀬戸際まで時間を取るので、会社から通告がきたりしました。

 

この彼女の愚痴の内容は、ご主人が帰ってこない、子供が熱を出しても保育園に行ってくれない。私の治療中、彼女は大事な会議の時に限って子供が熱を出すというのです。

これは、上司として不思議に思いました。

 

妻に、子供はこんなに熱を出すのかと訊ねると、

「最近、子供の様子をしっかり見てないママが多いのよね。熱を出す日は、何か兆候があるはず、自分が産んだ子供だから、もっと大切に育てないとね。」

「共稼ぎ夫婦では、保育園に迷惑をかけないように、子供の検温は、最低1日2回はしてほしいわね。気遣い、気遣い!」

「夜の救急外来に来る共稼ぎの親を持つ子供たちは辛そうなの!」

話をしてみると、B氏が感じる夫の家事不参加・子どもの不調は、根本としてB氏自身の問題であると言う事を、妻は見抜いていました。

なるほど。

妻の助言は的を得ていると確信はありましたが、私はこの内容を彼女に伝えることが、出来なかった。

彼女のプライドが傷つくと、私は思ったからです。

後日、妻から、男は女性に甘いからと、私は怒られました。

 

妻が体験した部下への指導の話

症例2の相談をしている時、妻は看護師として育てた○○さんの事を思い出したそうです。

 今では小児科の師長にもなっている○○さんは、バツ1で看護師をしながら子供を育てているスーパーウーマンです。

シングルマザーになった後、仕事と家庭の両立に苦悩している中、妻は「仕事している間は、あなたの子供より、目の前にいる患者さんのために動いて」と怒ったそうです。

感じ方によっては鬼のような言葉ですが、妻は「シングルなら、父親の役割も子どもに示す必要がある。だから、仕事も子育ても手を抜かないように言ったつもり」との事です。

 症例2 最強の司令塔「妻」が下すB氏への処方箋

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B氏の問診は続いており、ご主人の実家が近くにあるのに、ご主人の両親も孫が熱を出しても迎えに行ってくれないと、愚痴する対象を広げていました。

まだ、女性が結婚後、働くことに対して、反対な親がいることに驚かされます。

 

ただ、この時、私は気づいたのです。

彼女の愚痴は、家事の問題が育児に集中していることになります。

彼女は優秀な部下です。掃除、洗濯、料理について、完璧に出来ていることになります。なぜ育児だけ上手くいかないのでしょうか。

 

彼女に訊ねてみました。

彼女はとにかく合理的な考えの持ち主で、掃除、洗濯は優秀な家電製品たち、そして、食洗機も寝ている間に、仕事に行っている間に大活躍のようです。

彼女が、私の外来を受け、愚痴を吐き出し続けて2ヶ月後のことです。

司令官である妻から、「そろそろ、怒ったら、今が一番、注射の効果がでると思うわよ」と、また軽く言われました。

 

翌日、私は「共稼ぎを解決するのは、あなた自身からだ」と厳しい指導をしました。

 

やはり、彼女は、頭の良い子でありました。それに、彼女はしっかりとした性格だったのです。

私に怒られたことを、ご主人に話したそうです。

それから、彼女のご主人は、休日に掃除と料理を手伝うようになったそうです。

でも、子供のお迎えは、未だに解決できないようです。

この解決は、彼女自身で考えるでしょう。彼女の自己免疫は、強いはずです。

 

おわりに

二人の診療を始めてから、会社に怒られ、看護部長の妻に厳しい指導を受け、中間管理職特有の板挟みを四方から受けている状態でした。長男の大好物のカレーを調理しているとき、タマネギを見るだけで、涙がポロポロと流れた時もあります。

それでも、二人から家族仲が良くなったと、笑顔で報告を貰った時は忘れられない思い出になりました。

そんな後日談を、妻に報告すると、

「私の指導している女性の人数、知ってる?」

…この時、私は、看護師にならなくて良かったと思いました。

50代子無し夫婦が綴る夫婦の価値観(寄稿)

私の仕事はヨガのインストラクターです。年齢は52歳、夫は55歳のデザイン会社経営です。結婚したのは私が27歳の時ですから、今年で結婚25年になります。

先日ヨガの生徒(Aさん)から、私たち夫婦のライフスタイルについてお話をする機会がありましたので、後記録としてお伝え出来ればと思います。

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30代の子無し新婚夫婦Aさんについて

Aさんは30代の女性で結婚なさったばかり。以前から子供を産む気はなくて、結婚してもその気持ちは変わらないそうです。

しかしAさんと同い年のご主人はまだ気持ちがはっきりせず、将来子供が欲しくなることもあるかもしれないとのこと。

ご夫婦間の、子供を持つことに対する気持ちに微妙な温度差があるそうなのです。

私(50代子無し夫婦)は人生の先輩? 

Aさんは、私たち夫婦に以前から興味を持っていたそうです。子供がいなくて夫婦2人とも仕事を持っているという私たちのライフスタイルを、自分たちカップルの将来に重ねて見ていたのだといいます。

先日Aさんとおしゃべりするうち、色々と質問されました。

少し突っ込んだ話になりましたが、私自身にとっても自分たちのライフスタイルや結婚に対する価値観を客観視する機会になったので、その時のことをまとめておこうと思いました。  

 

 

結婚当初、子供の優先順位は高くなかった 

全く子供を産む気がないというAさんとは違って、結婚当初は出産に対する気持ちはもっと曖昧なものでした。

子供を可愛いとは思っていましたが熱望はしておらず、子供を持つとしてもそれは遠い将来のことだとぼんやりと思っていました。

仕事が楽しく、仕事なしの生活は考えられませんでしたから、結婚を機に、出産や子育てに備えて会社を辞めようとは思いませんでした。

夫も、私が専業主婦になるとは思っていませんでしたし、そうなって欲しいという希望もなかったと思います。

私たちは日常生活を共に過ごし、ひいては人生を共に歩みたいというシンプルな気持ちで結婚しました。子供を持つことについては、話題に上ることもありましたが、夫婦2人ともが「絶対にないとは言えないけれど、あったとしてもいつかそのうち。」という認識でした。

私たち2人の結婚生活において当初から、子供を共に育てるということがさほど優先順位が高くはなかったということだと思います。

結婚してからの変化

しかし、主婦業とフルタイムの会社勤めは予想より大変で、体調を崩した私は退社することになります。

今にしてみると、我ながら随分あっさりと辞めたものだな。と思いますが、ちょうど仕事も一区切りついたところで、自分の仕事に対する考え方も変わってきた頃でした。

私自身は、専業主婦になりたいわけではありませんでしたが、体が大事だし、まあ仕方ないな。体をよくしてから次のステージに進もう。と思っての判断でした。

当時は世の中に「専業主婦」というものが今よりもたくさんいたのです。収入の面はご主人に任せて、ご主人のサポートに回っている友人がいたので、劣等感や不安感を感じず、夫からのプレッシャーすらも一切ありませんでした。

子どもが欲しいと考えはじめた30代

30代になって初めて専業主婦になった私は、やっと子供のことを考えるようになりました。

元より「産まない」と決断しているわけでもなかったので、子供がいてもいいかもしれない。と思うゆとりができたのだと思います。

さらに、高齢出産が増えているとはいえ、30代後半にもなると、タイムリミットが迫っているのも実感し始めました。

ぼんやりと先延ばしにしてきたことを、決断する時が来たのです。

 出産のタイムリミット

私が退職した頃から、夫も子供のことを話題にするようになりました。

私たちは、先々のことであまり細かなプランを立てるのを好まないのですが、出産のこととなるとそうも言っていられません。私たちもこの時ばかりはよく話し合いました。

 

結局「子供のいる生活をしよう。」と決断したわけですが、実際には簡単には妊娠しませんでした。

そんなわけで、30代の後半は不妊治療に励みました。

今では、私の職業になっているヨガを始めたのもこの頃です。少しでも健康な母体を作りたいと思ってヨガスタジオに通うようになったのです。 

しかし、数年の不妊治療の介もなく、40代になっても妊娠の兆しがなかったので、治療は中断することになります。

不妊治療は肉体面だけでなく、精神的にも大きな負担があることは、体験した方ならわかると思います。

 

毎月妊娠していないことが分かると、その落胆は激しいものでした。

夫婦2人で臨む治療なので、2人一緒に精神的なダメージを受けてしまい、その度に立ち直るのも大変なのです。20代の頃は、恋愛の果にSEXをする事もありますが不妊治療中の性交渉や受精治療は異質なものです。

やがて、不妊治療を休んで、ヨガのレッスンに没頭するうち心身ともに健康を取り戻して、さらに何年かかって、子どもを諦める結論に至りました。

子どもを「産めない」私

子ども以外に没頭出来るものを見つけて、やっと妊娠にはこだわらなくなりました。

夫も落胆しているのが分かりましたが、私を傷つけないよう、また彼自身も子供のいない生活をポジティブに認識しようと模索しているのがわかりました。

現在「産まない」「産めない」という言い回しをよく聞きますが、こうして振り返ると、私の場合は、結婚当初は仕事が楽しくて「産まない」という選択をし、30代後半になって不妊治療を体験した後は物理的に「産めない」という流れになったのだと思います。

子どもを「産まない」Aさん

一方、Aさんは元より産む気がない。と言いますが、それには社会的な背景が大きいようです。

私が勤めていた頃よりは、制度改革が実施されてサポートもあるはずですが、それでも子供を育てながら会社勤めをするのは、実際には難しい面も多いようです。

ご主人の収入だけで家計をまかなうのは難しく、またそれができたとしても、雇用の実態が不安定な現在の状況では不安が先に立つと言います。

「産める時に産んだほうが…」という言葉も安易な気がします。自分を否定したくないという気持ちがあったかもしれませんが、それよりもAさんが考える(子どものいない夫婦としての)先輩として後悔を感じさせたくなかったのだと思います。 

2人の生活に満たされる感覚

聞きづらいことなのか、あまり話題にはなりませんが、今では子供がいなくても特に寂しいとは思いません。

不妊治療中は、赤ちゃんや小さい子供を見るたびに、早く自分も。とワクワクしては焦り、動揺したものです。

今は子供を挟んで歩く若いご家族を見ても、微笑ましいな。とは思いますがそれだけです。

 

治療に取り組み断念した体験が、夫と私の絆を強くしてくれたと感じていますから、寂しさを感じないのかもしれません。

不妊治療をする前もそれなりに仲は良かったですが、それまでは二人ともお互いの自由を束縛しないことを第一に生活してきたようなところがありました。

しかし治療を断念した後、再び2人だけで幸せに生活して行けるよう、夫は私を見守り支えてくれました。

 子はかすがい。と昔から言われるように、子供がいると夫婦の仲を上手く保ってくれるのでしょうけれど、それがなければ2人でなんとかしなくてはなりません。

ですから自然と、2人の仲を良く、新鮮に保っていこうとポジティヴに考えて行けるように思います。

Aさんは、私にとっての夫の事を「恋人の延長なのか友達の延長なのか」と私に尋ねるのですが、恋人であり、人生の同志であり、かけがえのない存在なのです。

「パートナー」というのは曖昧な言い方かもしれませんが「パートナー」としか言いようがありません。最も長く、深く、苦楽を共にした人は他にいません。

多分、子供のいないご夫婦は多かれ少なかれそんな気持ちでいるのではないかと思います。

 

趣味よりも生き方を分かち合うように

 Aさんは趣味についても私に尋ねました。彼女とご主人はまだ30代で友達同士のような関係なのだそうですが、結婚後は少し感じが変わったといいます。

ご主人と共通の趣味があれば、子どもがいない生活も新鮮さを保つことができると思ったのだといいます。

経験がないからわかりませんが、子供がいれば、子供の受験や進学、学校生活、将来は子供の結婚。と子供の成長に従ってライフステージが自動的に変わって行きますから、その流れに乗って日常生活を送るのが定石なのだと思います。子供のいるカップルにとっては「父親母親」という役割を担って生きる時間が、人生の大半を占める二人の共通項なのでしょう。

ですから、そういうライフスタイルを望まない彼女が、結婚生活の中で趣味を通じて、ご主人と楽しさや喜びを分かち合いたいという気持ちは理解できます。

そう考えると、趣味とは子供のいない夫婦にとってかなり重要な要素なのかもしれません。

 というのも、私たち夫婦には趣味を通じてコミュニケーションを図っているという実感がないのです。私の趣味であったヨガは現在は仕事になっています。夫にしても、デザインの仕事は彼にとって、言ってみれば一番の趣味のようなもので、それが仕事になっているわけなのです。

ですから私たちの場合は、趣味を介してのコミュニケーションはあまりなく、それぞれが趣味に没頭しているというイメージかもしれません。

 敢えて共通の趣味でコミュニケーションをとるということはしていないわけですが、それでも私はいいと感じています。

お互いの生き方そのものに共感を抱いている。と言ったら少し美化しすぎかもしれませんが、基本的にはそういう気持ちなのです。

Aさんは会社員なので、趣味とは仕事のストレスを解消できる息抜きなのだそうです。

彼女がヨガのレッスンを受けるのも、仕事とは別世界のヨガに集中することで、仕事の疲れをリセットするためだといいます。2人でスタジオに通えたら良いかもしれませんが、残念ながらご主人はヨガには興味を示してくれないそうなのです。

Aさん自身の身になって考えれば、Aさんは「子どもを産まないけども、妻として認めてもらえるか不安」なのかもしれません。女としての使命感か、結婚に関わる無言の圧力なのかもしれません。

 

家庭内の男女差

Aさんは、家庭内の「性差」についても尋ねました。

 

彼女は結婚していざ日常生活が始まってみると、ご主人が意外と保守的で、亭主関白な面があることを知ったといいます。そして、まだその点について納得がいっていないというか、ご主人を受け入れることができていないそうです。

Aさんは、ご主人自身が末っ子で母親に溺愛されて育ったから、なんでも世話をしてもらうことが当たり前と思っているのが原因と言います。

 私たち夫婦は2人とも、Aさんカップルより年齢的にかなり上ですから、男性はキッチンに入らないもの。と思っている割合が男女問わず多い世代だと思います。

ありがたいことに、我が家の場合は夫の母が「将来結婚しても奥さんがいなくては何もできないようではいけない」という考えの持ち主で(彼女自身が仕事を持っているからか)、夫が小さいころから、大雑把にではあったと思いますが、料理や掃除をはじめとする家事の全体像を教えてくれていたそうです。

そのおかげか夫は、特に料理上手というわけではありませんが、自然にキッチンに入って料理のサポートをしてくれます。あくまでも「手伝い」という立場ではありますが。

その他の掃除や片付け、洗濯、アイロンがけなどなどに関しても、家事全般の流れのようなものを把握しているので、特に頼まなくても私がとりこぼして出来ていない部分を、自然とフォローしてくれます。

 

ですから我が家の場合は、家事は分担しているのではなく、私がメインで家事を担当しているけれど、ちょうどいい具合にフォローしてくれるアシスタントがいる。といったイメージがぴったりかもしれません。

私の仕事は朝に始まることが少なくて、午後からのレッスン、あとは仕事帰りの人が受講する夜のレッスンが多いので、家事は午前中に済ませておくというスタイルが定着しています。

時には夫の方が帰りが早いこともあります。そういう時は特に頼まなくても、自分で考えたメニューを一品準備してくれたりして、フォローが気持ちに余裕を作ってくれるので、嬉しいことだと思っています。

 

我が家のスタイルはこのような感じなので家庭内に「性差」があるかと尋ねられたら、明らかにあると言えるでしょう。

しかし、外での労働時間は夫の方がはるかに長いのでそれが自然だと思いますし、私は家庭内で、女性的な仕事を受け持っていることに情緒的に安心感を持っています。

夫に料理を作って、おいしいと感謝の言葉をもらったりすることで女性的な喜びを感じています。おそらく私が家事のメインを担うことで、夫と私がそれぞれに男性的女性的な役割を演じるように、暗黙のうちに自分たちを仕向けているところがあるのだと思います。

それが私たちの間では、お互いの価値を確認する方法というか仕組みのひとつになっているのでしょう。

いまどきの男性は家事ができて当たり前。お料理ができた方がモテるといいますし、結婚したら2人で働いて、家事は平等に分担するのが理想というのはよく分かります。

私も実際に、夫が全く家事を理解しなくて、手伝ってくれなかったらやっていけないと思います。

でも、場合によってはあえて「妻らしい」ことをするのが楽しかったり、安心したりするのです。仮に仕事の忙しさや収入がピッタリ同じだったとしても、自分が女であることを確認するように、「妻らしい」振る舞いをすると思います。

 老後のこと

Aさんは子供のいない将来については不安もあるそうです。

老後についてどう考えているのかと聞かれたのですが、これに関しては、私も正直なところ不安もあります。

しかし現時点では特に決め事はしていませんし、2人の間での話し合いも十分ではありません。

不安は多少あるのですが、しかし、2人とも今は仕事に集中したいという点で一致しており、考えるゆとりがないのが実情です。

また、私たちのような自営業の仕事には、お勤めの方のようなはっきりした定年のようなものがないので、引退、老後という概念があまりないのも大きな理由だと思います。子どもがいないからなのか、子どもが保育園・学校・就職・成人などの関わる節目では無く、地続きで仕事に没頭する日々が続いているのも影響していると思います。

それから、幸い私たちの両親は健在で、まだそういった事柄に直面していないから。という事情も大きく影響していると思います。友人の中にはすでにご両親のサポートに奔走している人もあるので、人ごとではありませんが、なんとなく避けて通っているというのが実際のところです。

 

最後に

後日、夫にAさんから相談を受けた事を話したら

「僕もヨガやってみようか?」と冗談を言われました。少し老後が不安です。

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