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「我が子が服に絵の具をつけて帰ってきた…」それが、お気に入りの服や買ったばかりの服だとガッカリしますよね。
幼稚園や保育園、学校などお子様が絵の具を使う機会は意外と多いもの。慌てて洗濯しても、なかなか落ちないのが衣類についた絵の具汚れ。
そこで今回の記事では、服についた絵の具の落とし方を種類別に紹介します。絵の具の種類や特性によっても準備や工程が変わってきます。
- 水性絵の具の落とし方
- アクリル絵の具の落とし方
- 油性絵の具の落とし方
絵の具の洗濯の負担を減らす予防策や、絵の具を落とすための洗い方のポイントもご紹介しています。家庭にあるものでチャレンジできるので、ぜひ試してみてください。
目次
服についた絵の具汚れを落とす前に確認したいポイント
一言で絵の具といっても、種類によって落ちにくさや落とし方が異なります。
絵の具を落とす前に、服についてしまった絵の具の種類を確認しましょう。
- 水性絵の具
- アクリル絵の具
- 油性絵の具
私たちが触れることが多い絵の具は、上記の3種類。お子様の絵の具はだいたいが「水彩絵の具」ですね。
ここからは、絵の具の種類ごとに「準備するもの」と「落とし方の手順」を説明します。
水性絵の具の落とし方
幼稚園(や保育園)から小学生のお子様まで、使うことの多い水性絵の具。
色鮮やかで一見落ちにくそうに見えますが、水性絵の具であれば、手順を守ることで落とすことができます。
また、ほとんど家庭にあるモノなので、特別な準備をせず取りかかれるのが嬉しいポイント。
汚れに気づいたら、すぐに取りかかるのがおすすめです。
【準備するもの】
- 酸素系漂白剤(ワイドハイターなど)
- 重曹(粉末状)
- ティッシュ
- タオル(小さすぎないもの)
- 熱湯
- 洗面器やバケツ(なければ洗面所のボウルでも可)
- 洗濯洗剤
- ジェル状アルコール(なくても可)
【手順】
- アルコールを塗布・洗浄ペーストを作る
- ペーストを絵の具汚れに塗布する
- ティッシュで叩く
- お湯で洗い流す
- つけおきする
- 汚れが落ちたか確認する
- 洗濯機で洗う
順番に解説します。
①アルコールを塗布・洗浄ペーストを作る
ジェル状アルコールは、絵の具を浮かせ落ちやすくする効果があります。
もし持っていたら、絵の具の汚れ部分に塗っておきましょう。また、汚れがこれ以上広がらないよう、やさしく塗るのがポイントです。(※なければ、この工程は省いてしまって構いません。)
酸素系漂白剤と重曹を1:1の割合で混ぜ、洗浄ペーストを作ります。
絵の具汚れを覆うことができる程度の量があれば大丈夫。
酸素系漂白剤は服の生地を傷めることなく、汚れを落としてくれるので安心です。
②ペーストを絵の具汚れに塗布する
次は①で作ったペーストを絵の具汚れに塗っていきます。
この時、汚れが裏にうつることを防ぐため、タオルを敷いて行うのがポイント。
まんべんなくペーストをつけたら、染み込むまで数分待ちましょう。
③ティッシュで叩く
ペーストが染み込んだら、ティッシュで上からポンポン軽く叩きましょう。
シミ抜きの要領で行い、汚れが落ちるまで続けましょう。
④お湯で洗い流す
熱湯を用意し、汚れを洗い流します。
ポットやヤカンから注ぐor熱いシャワーで流す、どちらでもOKです。
くれぐれも火傷には気をつけて行ってくださいね。
⑤つけおきする
お湯を入れた洗面器やバケツに服を入れ、つけおきします。
つけおき時間は、お湯が冷めてさわれる温度が目安。
この時、洗濯洗剤を少し入れておくと効果的です。
⑥汚れが落ちたか確認する
つけおきしていた服をよくすすいでから、汚れが落ちたか確認します。
もし、まだうっすらと色が残っていたら、再度工程を繰り返しましょう。
面倒であれば、次のステップに進んで構いません。
⑦洗濯機で洗う
ここまで行うと、ほとんどの絵の具汚れは落ちているでしょう。
最後は、洗濯機の通常コースで洗濯洗剤を使って洗います。
アクリル絵の具の落とし方(3つのパターン)
アクリル絵の具は、時間が経って乾いてしまうと水で落とすことが難しい素材。
そして、乾くのが早いという特徴があります。
乾くと樹脂のように固まってしまうため、ついてしまったらすぐに落とすことが重要です。
完全に落とすことは難しいですが、時間が経っていないなら諦めず、チャレンジする価値はあります。
- (パターン1)洗濯洗剤と漂白剤
- (パターン2)固形石鹸とでんぷんのり
- (パターン3)除光液と洗濯洗剤とクレンジングオイル
3パターン紹介します。
(パターン1)洗濯洗剤と漂白剤を使った落とし方
【パターン1:準備するもの】
- 洗濯洗剤(粉末状が望ましい)
- 酸素系漂白剤(ワイドハイターなど)
- 洗面器やバケツ
- お湯(40℃~50℃)
洗濯洗剤は、粉末状の方が洗浄効果が高いのでおすすめです。
特に、アクリル絵の具はなかなか落ちないので、粉末洗剤を使うとよいでしょう。
しかし、用意できなければ汚れ落ち効果は低いですが、液体洗剤でも構いません。
【パターン1:手順】
- 洗浄液を作る
- つけおきした後揉む
- 漂白液につけおきする
- 水ですすぐ
慌てずに絵の具汚れを落としていきましょう。
①洗浄液を作る
洗面器やバケツに40℃~50℃のお湯を入れ、洗濯洗剤を溶かして混ぜ洗浄液を作ります。
②つけおきした後揉む
①の洗浄液にしばらくつけおきした後、絵の具汚れの部分を指でよく揉んで汚れを落とします。
他の場所に汚れが広がらないよう、部分的に揉むようにしましょう。
③漂白液につける
洗面器の洗浄液を捨て、漂白液を作ります。
漂白液は、新しくお湯と漂白剤を入れて作り、その中に洋服を入れて1時間ほどつけておきましょう。
④水ですすぐ
つけおきが終わったら、きれいな水ですすいで汚れを落とします。
除光液は、アクリル絵の具を溶かす作用があるので効果が期待できる反面、生地を傷めてしまうことがあるので、衣類にはあまりおすすめできません。
すすいでも絵の具が落ちなければ、クリーニングに頼むことをおすすめします。
(パターン2)固形石鹸とでんぷんのりを使った落とし方
【パターン2:準備するもの】
- 固形石鹸
- でんぷんのり
【パターン2:手順】
- 固形石鹸を絵の具汚れ部分につける
- でんぷんのりをつけ1~2時間おく
- 水で洗い流して洗濯する
①固形石鹸を絵の具汚れ部分につける
固形石鹸を絵の具汚れ部分にこすりつけます。
②でんぷんのりをつけ1~2時間おく
その上からでんぷんのりをつけ、1~2時間おいておきます。
でんぷんのりの粒子が服の繊維にも染み込み、絵の具の粒子とくっつくことで汚れが引き出されます。
③水で洗い流して洗濯する
固形石鹸とでんぷんのりをつまみ洗いして落とした後、通常の洗濯をします。
(パターン3)除光液と洗濯洗剤とクレンジングオイルを使った落とし方
【パターン3:準備するもの】
- 除光液(アセトン入り)
- キッチンペーパー
- 洗濯洗剤(中性)
- クレンジングオイル
【パターン3:手順】
- 除光液を含ませたキッチンペーパーで叩く
- 洗濯用洗剤と水でもみ洗いする
- クレンジングオイルでもみ洗いする
- 洗濯する
①除光液を含ませたキッチンペーパーで叩く
キッチンペーパーに適量の除光液を含ませ、しみ抜きの要領でポンポン叩きます。
絵の具が裏写りしないよう、下にタオルを敷くのがおすすめです。
除光液は、必ずアセトン入りのものを選びましょう。
アセトンが入っていないと、汚れ落ちが悪く、生地を傷めるだけで絵の具が落ちない可能性があります。
②洗濯洗剤と水でもみ洗いする
適量の洗濯洗剤(中性)と水で、汚れ部分をもみ洗いします。
この時、汚れがきれいに落ちたらここで終了で構いません。
落ちなければ、次の工程に進んで下さい。
③クレンジングオイルでもみ洗いする
次に、絵の具汚れ部分にクレンジングオイルをつけてもみ洗いします。
④洗濯する
いつも通りの洗濯をします。
この段階で落ちなければ、繰り返します。ただし、2~3回行っても落ちなければ生地を傷めるだけなので、クリーニングに出した方がよいでしょう。
油性絵の具の落とし方
油絵などに使われる油性の絵の具。
その名の通り、油でできているため水で落とすのはかなり難しく、乾いてしまうとほぼ不可能な状態に…。
そのため、除光液やアルカリ性洗剤などを使います。水に比べると油性の絵の具を落とす力が期待できます。
しかし、たとえ落とすことができても衣類の場合は生地を傷めたり、毛羽立ちができたりするので注意が必要です。
【準備するもの】
- キッチンペーパー
- 除光液かクレンジングオイル
- セスキ炭酸ソーダ(粉末状)
- 酸素系漂白剤(ワイドハイターなど)
- クエン酸水
- 熱湯
【手順】
- 除光液(もしくはクレンジングオイル)で絵の具汚れ部分を叩く
- セスキ炭酸ソーダを汚れに振りかける
- 酸素系漂白剤を振りかける
- 熱湯をかけて待つ
- クエン酸水をかける
- 洗濯する
①除光液(もしくはクレンジングオイル)で絵の具汚れ部分を叩く
除光液もしくはクレンジングオイルをキッチンペーパーに染み込ませ、絵の具で汚れた部分をポンポンして落とします。
衣類についてしまった油性の絵の具を落とすのは至難の業ですが、この作業で落とせることもあります。シミ抜きの要領でトントンしてみましょう。
②セスキ炭酸ソーダを汚れに振りかける
絵の具汚れ部分に、粉末状のセスキ炭酸ソーダを振りかけます。
セスキ炭酸ソーダはアルカリ性です。中性洗剤などに比べると、洗浄力が強いのが特徴ですが、その分衣類の生地を傷めてしまうのがデメリットです。
しかし、油性絵の具を落とすためには必要な工程ですのでしっかり行いましょう。
③酸素系漂白剤を振りかける
セスキ炭酸ソーダを振りかけたら、その上から酸素系漂白剤をつけましょう。
その後、歯ブラシで軽くこすると、汚れが落ちやすくなります。
しかし、生地が傷みやすい状態ですので、あくまでも軽くこするだけにしましょう。
セスキ炭酸ソーダと酸素系漂白剤を合わせると、洗浄力がアップします。
汚れ落ちが期待できる分、刺激も強いので、ゴム手袋などで肌をしっかり守りましょう。
④熱湯をかけて待つ
熱湯を絵の具汚れ部分にゆっくりかけ、5分から10分そのまま待ちます。
⑤クエン酸水をかける
セスキ炭酸ソーダでアルカリ性に傾いてしまった洋服を中和するため、クエン酸水をかけます。
⑥洗濯する
クエン酸水をかけた後、一旦汚れ部分を水でもみ洗いして、きれいにしてから洗濯をします。
この時点で汚れが落ちていない場合は、2~3回工程を繰り返しても良いですが、生地を傷めてしまう恐れがあるので、様子をみながら行いましょう。
どうしても落ちない場合は、諦めるかクリーニングに出すことも考えましょう。
油性絵の具を落とすためには、アルカリ性の漂白剤やセスキ炭酸ソーダを使うので、「生地にダメージを与える洗濯方法」ということを意識して行ってくださいね。
絵の具の洗濯の負担を減らす予防策
絵の具が洋服についてしまっても、まずは自宅で落とし方を試してみましょう。
絵の具の種類や状態にもよりますが、もしかするとクリーニングに出さなくても済むかもしれません。
しかし、あらかじめ絵の具がついてしまっても困らないよう、予防策をしておくことも大切です。
【予防策】
- 水で落ちる、洗濯で落としやすい絵の具を使う
- 絵の具を使う日は汚れてもいい服を着ていく
- 絵の具がついたらすぐに落とす
絵の具は、水性・アクリル・油性の3種類あります。水性であれば洗濯で落ちやすいですが、アクリルと油性の絵の具は、水で落とすのは難しい素材です。
水性絵の具を使うようにすれば、万が一洋服に絵の具がついてしまっても慌てずにすみますね。
もし、絵の具の種類を選べるのであれば、水性絵の具など洗濯で落ちやすいものを使いましょう。
また、絵の具を使うのがわかっているのであれば、汚れてもいい服や濃い色の服を着ていくようにしましょう。
新しい服、お気に入りの服、白い服などは絵の具が落ちなかった時のショックも大きいですし、絵の具が目立ってしまうのでおすすめしません。
お子様にも伝えておくとよいでしょう。
また、絵の具の種類に限らず、洋服についてしまったらすぐに落とすのが一番効果的です。
時間が経つほど絵の具は落ちにくくなるので、出先で絵の具がついてしまったら、汚れた部分だけでも絵の具を落としておきましょう。
まとめ:服についた絵の具の落とし方は種類別に異なる
服についてしまった汚れは、種類によって落とし方が異なります。
絵の具は種類や特性によって、準備するものや工程が異なるため、マニュアルに沿って行うのがきれいに落とすコツです。
しかし、絵の具の種類にかかわらず大切なことは、「絵の具がついてしまったらなるべく早く落とすこと」。絵の具は時間が経ったり、洋服の繊維に入り込んだりすると、さらに落ちにくくなってしまうからです。
「絵の具は早めに落とす」ことがポイントなので覚えておきましょう。また、「絵の具がついてしまった時の洗濯の負担を減らすこと」も大切です。
絵の具を使うとわかっている日は、絵の具がついても構わない服や、絵の具が目立たない濃い色の服を着ていくなどの対策をしましょう。選べるなら水性絵の具や洗濯で落としやすい絵の具を使うのもおすすめです。
アクリル絵の具や油性絵の具は、除光液やアルカリ性の洗剤を使って落とすため、多少の毛羽立ちや生地のダメージは残りますし、絵の具が残ってしまうこともあります。それを前提に行うようにしましょう。
自分でマニュアルに沿って行ったけれど「絵の具汚れが残ってしまった」「生地を傷めたくない」と思うなら、クリーニングに出すことも検討しましょう。プロの手にかかれば、自宅で落とせなかった絵の具汚れを落とすことができたり、生地を傷めるリスクも軽減されます。
今回のように自宅で挑戦できる方法もあるため、様々な選択肢の中から服の汚れと向き合ってみましょう。ボールペンのインクが付着した場合は「服にボールペンが付着した時の落とし方!インクの種類別に手順や対処法」の記事もあります。ぜひ、参考にしてみてださい。