最近なにかと話題の「名もなき家事」。ひとつひとつは大きくないければ積み重なると負担になってきます。
今回は共働きで妻のSさんに、名もなき家事について執筆頂きましたので御覧ください。
目次
夫は重要と思っていないけれど、妻は負担に感じる家事
「名もなき家事」を知っていますか?
名もなき家事とは「掃除」「洗濯」「料理」という名のある家事に比べるとはっきり名称がない家事のことです。
この「名もなき家事」のおよそ9割が妻が担っているのが現状です。
ある調査で「家庭での家事分担における夫婦の比率」を世の夫たちに聞いてみると
夫3割:妻7割と回答しました。
一方、妻たちに同じ質問をしてみたところ「夫1割:妻7割」と回答していました。
この結果でわかるように、夫婦間で家事の分担意識に大きな差があり、そのことがストレスにも繋がっているのです。
最近は、男性の家事参加が増えたというのを耳にすることも多く、確かに昔に比べて男性も家事を分担してくれるようになりました。が、まだ妻の方が家事への負担が大きいように私は思います。
その原因の1つに、「これは家事なのか?」という夫婦間での認識のズレがあるようです。
掃除・洗濯・料理以外にも家事がたくさんあることを認識しないといけません。
実はものすごく負担になっている「名もなき家事」についてお話しさせていただきます。
名のある家事とは?
「洗濯」
「掃除」
「料理」
「買い出し」
など・・・
名前のある家事のことです。
「よし!やるか!」と気合を入れて始めることができ、終わった後には達成感を感じることもできます。
目に見えてわかりやすいので結果が出る!そしてやりがいを感じやすいのがこの名のある家事です。
意外とあった!名もなき家事
名もなき家事とは大和ハウスが2017年にキャンペーンで使っていたもので、名のある家事に比べるとはっきり名称がない家事のことです。
例えば「料理」を例に出してみると食材の買い出しから始まり
食材の保管、食材の管理、調味料の補充・交換、米研ぎ、お皿の準備、ふきんの交換、食卓の片付け、食卓の掃除、コンロの掃除、排水溝の掃除・・・など
細かくたくさんの家事たちがあるわけです。
大和ハウスのサイトにはこの「名もなき家事」を30項目リストアップしてあります。
この30項目がどういったものなのか見ていきましょう。
名もなき家事を知ろう!名もなき家事30項目のリストはこれ
①溜まったゴミを捨てる
②アイロン掛けをする
③食事の献立を考える
④ベッドや布団を整える
⑤飲みっぱなしのグラスを片付ける
⑥調味料を補充・交換する
⑦ごみを分類する
⑧食べ残しの食品を冷蔵庫にしまう
⑨食事の前に食卓を拭く
⑩トイレットペーパーがなくなったときに、買いに行く
⑪手洗い場のタオルを取り換える
⑫新聞・雑誌などをまとめて捨てる
⑬脱ぎっぱなしの服をクローゼットやタンスにしまう
⑭クリーニングに出す、取りに行く
⑮玄関の靴をそろえる
⑯靴を磨く
⑰町内やマンションの会合に出席する
⑱郵便物をチェックする
⑲子供の食事を手伝う
⑳子供の送迎
㉑子供の学校準備、勉強を見る
㉒ペット、植物の世話
㉓使い切ったティッシュの交換
㉔古くなった照明の交換
㉕ポストに入っていた不要なチラシの処分
㉖朝カーテンを開け、夜カーテンを閉める
㉗子供と会話する
㉘家電製品の選定・購入・設置する
㉙朝刊、夕刊を取りに行く
㉚使った道具を、元の位置にきちんと片付ける
出典:大和ハウス
これが名もなき家事30項目のリストです。
どれも「そうそう!あるある!」といったものばかりではないでしょうか?
妻としては、家事としてやっているものが大半を占めますよね。
しかし、夫にとっては家事と認識していないものが存在するのです。
名もなき家事トップ10ランキング
そんな「名もなき家事」の「面倒くさいと思うランキング」がこちら。
10位 お風呂や洗面台の排水溝に溜まった髪の毛を取り除く、お風呂の排水溝の掃除・網変え
9位 資源ごみの分別・仕分け
8位 シャンプー・洗剤・ハンドソープなどの補充・詰め替え
7位 子どもが散らかしたオモチャなどの片付け
6位 飲み終わったコップやペットボトル・空き缶を片付ける、洗う
5位 食事の献立を考えること
4位 服の脱ぎっぱなしを片付ける・クローゼットにかける・脱ぎ捨てた服を回収して洗濯カゴへ入れる
3位 トイレットペーパーの補充・交換
2位 玄関で脱ぎっぱなしの靴の片付け・下駄箱へ入れる・靴を揃える
1位 裏返しに脱いだ衣類・丸まったままの靴下をひっくり返す作業
「わかる!!」と頷いている方も多いのではないでしょうか?
名もなき家事を常に意識する
玄関で脱ぎっぱなしの靴の片付け(キレイに並べる)裏返しに脱いだ衣類、丸まった靴下を裏返す作業、シャンプーなどの補充・・・旦那さんはこれらを家事だと認識していないことが多いようです。
旦那さんとしても、奥さんに任せっぱなしという意識は無いようで、そもそも「名もなき家事」の細かなところを把握できていないだけかもしれません。
それが積み重なると本来やる必要のないものを家事と認識して抱え込み、どんどん時間に追われてイライラしてしまいますよね。
これを解消する方法は、夫にイライラして指示をして、手伝ってもらうのではなく、「名もなき家事」のリストを見てまずは夫に「こんな家事もあるんだ」と認識してもらうことから始めてみましょう。
夫婦で認識するためのステップ
夫婦で家事分担・協力するには先程の30項目にある内容を伝えることから始めてみましょう。
①名もなき家事をやってみよう
「ちょっとめんどくさい」と思うことはだいたい名もなき家事です
当たり前のように快適な暮らしが出来ているのは家族の誰かが名もなき家事をやっているおかげです。
気付いたらまずやる!を旦那さんやってもらいましょう。
小さな子どもがいる家は特に夫が名もなき家事をすることが重要です。
手伝うのではなくて自分の家の事は自分もやろう!という意識を持ってもらいましょう。
②実際にやってみた夫婦で認識するためのステップ
我が家では夫婦で認識するために「察して!」をやめました。
「なんで○○してくれないの?」と言うのをやめ、「○○するのがしんどい」「○○をやってもらえると助かる」ということを素直に伝えるようにしました。
素直にしんどいこと辛い事を相手に言う、自分が名もなき家事をやってしまう前に「○○を△△しといてほしいのだけど」と相手に伝えてみるのはとても大切なことで効果があったので是非やってみて下さい。
単に気が回ってなかったりやり方が違ったり順番が違ったりすることがあるので
明るいノリで「○○お願いね!」と言うと夫も家事参加しやすいようでした。
特に意識を向けずに生活していると男性というのはなかなか気づけない・気付かないことが多いです。
「あえてやらない」ということもやりました。
裏返しの靴下や脱ぎっぱなしの服はあえて元に戻さないように「自分で出来るようになってもらう」ためにあえて見守るのも立派な思いやりです。
あと大切なのは感謝の気持ちを伝えることです。
夫でもできることは何か?分野を決めて任せてみる
家事分担をするにあたって、夫には「私がやりたいけれど手が回っていない分野」を任せるようにしました。
やり方や仕上がりにこだわりがある分野だと、つい口を出してしまったりイライラしてしまう・・・と思ったので自分でもできておらず、頭の片隅で「今日もできなかった・・・」と思ってしまう家事を任せてみました。
それなら、たとえ雑な仕上がりだったとしても素直に感謝できそう!と思ったからです。
このように家事全体を見渡しながら家事分担すると、イライラも減り、
家事の負担軽減だけでなく、お互いがねぎらい合う気持ちを持てるようになります。
名もなき家事を見える化してみる
「名もなき家事」をいざ分担しよう!となっても把握しきれなかったり、共通認識がなかったりするのではないでしょうか?
「名もなき家事」を見える化することで分担について話し合うキッカケにもなり、生活にはこれだけの作業が必要だということを夫婦がお互いに理解することができます。
①アプリを使って家事分担をしてみる
家事をシェアするのに役立つアプリを使って分担を見直すという方法もあります。
家事シェアアプリでは名もなき家事となる見えない・細かい家事を含めタスク化されています。
タスクを見える化して共有すれば相手も参加しやすく自分自身も家事を把握しやすくなります。
②タスク表を使ってみる
AERAの家事育児100タスク表というものがあります。
タスク表を使って夫婦で色を塗ったりシールを貼ることでお互いに話し合ったり状況を改善していこうとすることができます。
家事育児のタスクと現在の分担を見える化することで、優先順位がわかったり、分担を工夫しやすくなります。
夫婦で家事育児の分担を見直してみるのはどうでしょうか?
塗ってみると、陣取り合戦的な要素があって、意外と面白いですよ。
「家事育児100タスク表」はダウンロードできるので、興味のある方はぜひやってみてくださいね。
https://publications.asahi.com/aera/pdf/160530/tomobataraki.pdf
家事分担を見える化する3つのメリット
①お互いの家事分担の現状がわかる
家事育児の分担状況を見える化することで自分がどれだけやっているか相手がどれだけやっているかが見え
どれだけ家事分担をすれば不満がなくなるか・ストレスが無くなるかというゴールが見える状態になります。
最初にも書きましたが、夫妻間でお互いの家事負担についての認識はズレやすいです。
なので相手がやっていること、そして自分がやっていることを見える化することは、本当に大切なんです。
②タスクごとに責任者がはっきりする
家事分担を見える化することで、誰が何をするのか責任者・担当者がはっきりします。
例えば、「部屋の掃除は妻の仕事だけれど、子供のおもちゃの片付けは夫にする」とします。
部屋が散らかっていたり汚れていたりすると「私のやり方が悪い。どうして私は出来ていないんだろう。」と自分を責めがちです。
でも、「部屋の片づけの担当は夫」となると、自分の責任範囲外のことなので少し気が楽になります。
「家のことをすべて自分一人で背負わなくてもいい」
これだけで少し気持ちに余裕ができますよ。
③タスクをいつやるのか決めるとストレスが減る
タスクについて、いつやるのか?いつまでにやるのか?という共通の認識を持つことでストレスが減り、そしてケンカも減ります。
「相手にやって欲しいことを相手がいつやるのかわからない状態」というのはかなりストレスになります。
例えば夫婦間で「トイレ掃除は1週間に1回はするもの」「トイレの汚れが目立ってからやるもの、」と認識が違っていたら、せっかく分担を決めても、「トイレ掃除いつやるの?」「やるって言ってるんだろ!」なんてことになってしまいます。
妻も夫も「トイレは週末にそうじする」という共通の認識があれば、週の途中で汚れていても週末には掃除するということがわかっているので、「いつやるの?」とイライラすることもなくなります。
働く主婦に聞いた名もなき家事を減らす方法
時間に余裕がない・・・でもやらないといけない・・・というのはかなりストレスになりますよね。
「やらずに済ませる」というのも立派な解決策です。
実際に働いている主婦に聞いてみたところ
- アイロンはかけない(形態安定加工シャツやシワになりにくい洗濯ネットを活用する)
- 洗濯物をたたまない(ハンガー収納にしてたたむ手間を省く)
- 買い物はせず、宅配にしている。
- 食材セットを買うことで献立を考える手間を省く
ということをされているようです。
このように家事の一部を省くことで時間と余裕が生まれる、ストレスもなくなります。
どうしても「やらなきゃ!」と思いがちですが、思い切って家事の一部を省いて名もなき家事、そしてストレス減らしてみてはどうでしょうか?
まとめ
毎日の生活のなかで、ご家庭ごとに違った「名もなき家事」があるはずです。
毎日のことなので、やらない家族が多いほど一人に負担が集中してしまいます。
本来やる必要のないものを家事と認識して抱え込み、ストレスが溜まってしまう・・・
この状態を解決するためには、夫の協力が欠かせません。
「言われなくても、気付いてよ!やってよ!」という気持ちをグッと堪えて、まずは夫と妻の家事に対する認識のギャップを埋めていくことが、家事全体の負担を減らす近道になると思います。
毎日の「名もなき家事」時間が減ると、家事に負担が減らせます。
すると、余暇や家族とのコミュニケーションに時間が使えるようになって、暮らしの満足度が上がってくるはずです。