毎日の家事を投げ出したいと思う方も多いのでは無いでしょうか。
そんな方に向けてEさんに執筆頂きましたのでご覧ください。
目次
こんなにがんばっているのに、誰もみていない。こんな時は家事を放棄したくなる
家事、それは家庭に関わる事全般を指します。 家事には小さな事から大きな事まで、それぞれの家庭によって仕事があり、大多数を女性がこなしていると言っても過言ではありません。 たった1人では抱えきれない量があり、時には放棄したくなる事もあるでしょう。
家事を放棄したくなる瞬間はこんな時
ここ近年、「イクメン」と呼ばれる男性である夫側の家事の分担、育児の分担による話題が数多く注目されていました。
男性側の家事の協力度も増し、昔のように”キッチンに男性は入るべからず”のような決まりは否定的な見方をされる風潮です。
しかし、男性側が家事を担当する事が増えたとはいえ、女性である妻側に家事の負担は大きくのしかかっているのが現状です。 家事を放棄したくなるのは、こなせない程の家事が目の前に積み上がった時ではないでしょうか。
女性である妻側に家事がのしかかる理由とは
家事が負担になってしまう原因にはどのような理由があるのでしょうか。 いくつか考えてみました。
理由その①男性である夫側に家事をする時間がない
日本人の仕事を取り巻く環境はとても厳しく、家に関わる事よりも仕事をする方が正しい、と考えている人が多くいる状態です。
もちろん、仕事は自分の人生を形成する上でとても必要な事ですし、時には寝る時間を惜しんで働き続けることも大切です。
ですが、日本の場合は、その働き続ける時間が非常に長いのです。
海外や、日本に拠点を置く外資系の会社だと
- 夏休みや年末休み以外にも2週間の強制休暇を取らなければいけない
- 1カ月の連続した休暇を取り旅行を楽しむ
など、休暇を取ること自体がある意味仕事だ、という考え方を持っています。
日本の企業の場合は
- 仕事が終わらなければ残業、定時に上がろうとすると白い目で見られる
- 夏休みは3日間のみ
- 有給休暇は消化できずに消失するもの
など、休まず、仕事をする事が当たり前と考えている事が多いでしょう。
また、通勤時間が長くかかる人も多く、満員電車に揺られ、家に帰ってくる時にはもう体力は使い尽くした後、という人も多いです。 一生懸命、働いてる男性に、女性はお皿を洗って、掃除をして、とはなかなか言いにくいものです。
理由その②女性が家事をし、家庭を守る事が昔から正しいと思われている
子供の頃から、女は料理上手だった方がいい、子供を産むんだからご飯くらい作れないと、なんて言われた事はありますか?
今まさに、家事をしたくない、でも自分がやらねば誰がやるんだ、という風に思っている方は30代から40代の方が多いのではないでしょうか。
ちょうど、家事は男性も手伝うべきだ、という考え方と、女性がやるべきだ、という考え方の変換期に育ってきた人たちです。
親や、世間は女性が家事をするべき、子供を見るべきという見方が強く、自分自身もそれが当たり前だと刷り込まれている場合があります。
親や、世間の「母親なんだから」「奥さんなんだから」という言葉に縛られ、自分自身を必要以上に責めてしまっている、という事もあるでしょう。
男性側も同じく、自分の親がやっていたから、周りも言っているから、女性が担当する事が普通だと思っている場合があります。
中には、家事ができていない事で、男性側のご両親から責められてしまう、という事もあるでしょう。 これでは女性側の負担が減るわけがありませんよね。
TVドラマやマンガ、CMでもそうです。 エプロンをして食事を作るのは大概、女性側の仕事です。
男性はスーツで、食卓に座り、朝ごはんを食べ、先に「行ってきます」と会社に行ってしまいます。 女性側は、朝ごはんやお弁当を作り、片付けを済ませ、子供を見送り、自分の支度を済ませ仕事に行く。
知らぬ間にそれが当たり前の事だと、お互いに認識してしまっている可能性があります。 女性側がやるべきもの、と男性側も女性側も思ってしまっているので、女性は八方塞がりになってしまうのです。
理由その③家事を他人に任せるという意識がない
「家の事ぐらい自分でやりなさい」これも昔、よく言われていた言葉です。 洗濯をする、ご飯を作る、掃除をする、子供を育てる、家事にはいくつもの仕事があります。
会社員であれば、お金の事は経理、社員の事は人事、建物の事は総務、と仕事によって分担が決まっており、チームとして働けるようなチームが作られています。
仕事が分からなければ相談できる同僚、そして上司もいます。
ですが、家事はどうでしょうか? 基本的には1人です。 自分自身でやらなければならない、自分の家の事で他人に迷惑をかけられない、という意識から、全て自分で抱え込んでしまう人が多くいると思います。
それに日本では、家事を他人に委託する、という文化がありません。
家事を誰かに頼んでいる、と友人や親戚、両親が知ったらなんと言うでしょうか? 今では家事代行サービスや、宅配弁当など、家人に変わって家事をこなしてくれる会社が増えてきましたが、まだ異論を唱える人も少なくありません。 そういった目を気にしてしまう事で、やはり女性側が抱えている仕事は減る事がないのです。
子供の頃、まだ食洗機が各家庭に備え付けられていない時代に、子供のいない親戚夫婦が共働きだったため、食洗機を購入し使用していました。 それを見た大人が 「子供もいないのに食洗機を使うなんて」 と言っていたのを今でも覚えています。 子供だった私は、なぜ食洗機を使う事がだめなのかわかりませんでした。
きっとその人も同じように育てられ、「自分でできる事は自分でやる、他人や機械に任せる事はもったいないことだ」と教わってきたのでしょう。 その延長線にあるのが、家事の女性負担という考え方だと思います。
家事を放棄したくなる or している人はいるか
家事を放棄したくなる、と思わない人はどこにもいないのではないでしょうか。 とにかく家事に関わる事が大好き!家事さえしていれば幸せ!と思う方以外は全員思った事があるでしょう。 家事は365日、休みなく発生します。
しかも、個人の考え方によって家事の内容やレベルが変わるので、それぞれの仕事量も変わります。 家事は働く時間も、終わる時間も決まっていません。
家にいればいつでも仕事をしなければいけない状況です。 放棄している、というよりは、意識して放棄しないと、休む時間がないのです。 時には自分が病気でも家事を放棄する事が許されない場合もあります。 人によっては放棄している状態でも、周りから見たらそれのどこが放棄しているの?と思う事もあるかもしれません。
逆に、ちゃんとやっていても、どこが?と思われてしまう事もあります。 それぞれの求めるレベルが異なるため、実情がとても見えにくいのです。
よって、家事を放棄したくなる人、家事を放棄している人はいます。 いますが、家事を放棄したとしても迷惑のかからない範囲で、自分の中でも折り合いをつけながら、放棄しているのだと思います。
家事を放棄したくなるのはどんな時か
家事を放棄したくならない人はいない、と書きましたが、ではどんな人がどんな時に家事を放棄したくなるのでしょうか。 置かれている環境ごとに考えてみました。
<専業主婦の家事を放棄したくなる理由>
これは「家事を一生懸命こなしても認められない時」ではないでしょうか。
主婦になったからといって、全員が全員、家事が大好きなわけではないと思います。 主婦の友人で、料理を作る事が得意じゃない、掃除が好きじゃない、という人は結構います。
そういう人が一生懸命、家事をこなしているのに否定されたらどんな気分でしょうか。 特に、男性側の母親が専業主婦だと、自分の奥さんだってできるはずだ、と思われている事が多々あります。 食事の面だけで言うと、
- 食事はおかず4品が当たり前
- 肉と魚は交互に出すように
- 味噌汁はおかずではない
実際に聞いた事のある話です。 得意ではないなりに一生懸命やっていても、なぜ、できないのか、と言われてしまうとやる気をなくしてしまいますよね。
<共働き主婦の家事を放棄したくなる理由>
共働きの場合は、お互い仕事で忙しく、家事もそこまで要求される事はあまりありません。
家事をする側も、時間に制限があるので、専業主婦よりもスケジュールを組みやすいでしょう。 ですが、仕事という大事なものを家事以外に抱えているため、そのスケジュールが時間通りに進まない事があります。
例えば、
- 電車が遅れていた
- 残業が入ってしまった
- 仕事が忙しく体力が残っていない
などが考えられます。
仕事の事で頭がいっぱいで、毎日忙しく、片付いていない部屋、洗い終わっていない洗濯物を見ると、見て見ぬフリをしてしまいたくなりますよね。
週末は仕事で疲れた体を休めたいので、家事をしたいとも思えません。
そんな時はやはり、家事を放棄したくなります。
子育て主婦の家事を放棄したくなる理由
子育てをしている間は、知らぬところで家事という仕事がどんどん増えている状態です。
何もしなくても仕事が増える一方なので、すでに諦めるところは諦めている、もしくは、できる事はやっている、という場合が多いのではないでしょうか。
子供がいながらも、家事をしっかりとできる人もいますが、ごく少数派です。
子供が1人、もしくはとても大人しく聞き分けがいい、などの条件があるので、割合的にはとても少ないでしょう。
年の近い男の子が3人いるなんて場合はもう、笑ってごまかすしかありません。 次から次へと、洗い物が増え、掃除する場所が増えると、家事を放棄したくなります。
家事を負担に思わないためにできること3つ
家事を放棄したくなる理由はさまざまです。
それでも日々、家事をしていかなくてはなりません。 家事を負担に思わないためにできることを3つ、考えてみました。
①1日家事を放棄してみる
とりあえず、1日家事を忘れてみるのはどうでしょうか?
今日のご飯は何にしよう、作らないといけない 洗面所が汚かったな、掃除しないといけない あの書類、銀行に提出しないといけない 「〜しないといけない」を捨ててみませんか?
思ったよりも、「〜しないといけない」に縛られていませんか? 家事はサボると溜まってしまうので、さらに嫌な気持ちになってしまうかもしれませんが、 たまには気をぬく事も大切です。
気づかないだけで、実際はかなりの時間を家事に費やしています。
たまにはご飯を作る必要がない、掃除をする必要がない環境に自分を連れて行き、休ませてあげましょう。
嫌だな、と思いながら家事をすると、ストレスが溜まるだけでなく、普段はやらないようなミスをしてしまったりする事もあります。
毎日がんばっているのだから、たまには息抜きをしてみましょう。
②理想を高く持ちすぎない
「あの人はこんなにできている」
「みんなやっているはず」
「私は全然できていない」
そんな風に思っていませんか?
家事にはルールも、ゴールもありません。 自分の中で、1日のうちにできるルールやゴールを決め、こなしていくようにするのはどうでしょうか。
できない日もあるとは思いますが、最低限の生活ができていれば問題ありません。
食事もお風呂も歯磨きも毎日毎日、行うものです。 できない日があっても大丈夫、と思いながら生活してみると少しは楽になるかもしれません。
③家族以外の人にお願いしてみる
外部のサービスでもいいので、他人を頼ってみましょう。
家の中を他人に見せるのは気が進まない、という人もいるかもしれませんが、全てを任せる必要はないんです。
例えばエアコンだけ掃除してもらう、汚れの気になるレンジフードだけ掃除してもらう、それだけでもいいんです。
他にも、栄養がしっかりと計算された宅配弁当なんかのサービスもあります。 毎日ではなく、週に1回だけ頼んでみるなど、少しずつ自分がこなしてきた家事を他の人に任せてみるのはどうでしょうか。
まとめ:家事は自分だけの仕事ではない。
みんなで少しずつ分担しよう。
育児には、母親が1人で子供に向き合いお世話をする事をワンオペと言います。
家事も同じように、1人で向き合い完結させる事がとても多いように感じます。 その結果が、家事を放棄したくなる、という気持ちなのではないでしょうか。
家事はその家に住む人達、全員で向き合うべき仕事だと思います。 できない場合は、外部の人に頼むなど、なるべく1人だけで抱え込まないようにしましょう。