2020年版厚生労働白書によると、平成の30年間で共働きの世帯数が約1.6倍になったそうです。2019年の共働き世帯は全体の7割近く、もはや専業主婦世帯の倍以上となっています。
どんどん増えていく「共働き(共稼ぎ)世帯」。今回は共働き家庭における子育てのメリットや問題点、仕事と両立するうえでのコツなどをご紹介していきます。
目次
共働き夫婦の子育てーメリット
メリット1:世帯収入がUPし、経済的なゆとりが生まれる
最初にあげるべきメリットはこちらです。子どもにとって環境のよい地域に居を構えたり、さまざまな習い事をさせるためには、しっかりとした経済的な基盤が必要です。旅行やキャンプなど、生活に余裕があるからこそ、子どもにたくさんの経験をさせてあげることもできますね。
経済的な利点が共稼ぎ夫婦の子育ての一番大きなメリットです。
メリット2:子どもの自立心が芽生える
子育て中の共稼ぎ世帯は、おそらく保育園を利用することが多いでしょう。保育園では、同世代の友達と日常的に接することができ、協調性や友情の大切さを学ぶことができます。
保育園や学童、習い事などで家族以外の人とかかわる機会も子どもの成長につながります。
また、働く親の背中を見て育つため、「働く」ということを当たり前に受け入れ、家事を手伝ってくれるなど、自立心が芽生える子どもも多いです。
親とかかわる時間がどうしても少なくなってしまうため、自分で考え、判断し、正しい行動を選択する能力も身に付きます。
メリット3:社会的なつながりを感じることができる
結婚し、出産した女性はライフステージによって呼ばれる名前が増えますが、それは「〇〇さんの奥さん」だったり、「〇〇ちゃんのママ」。常に「誰かの〇〇」で、その人個人がメインの呼び方ではありません。
仕事をすることで、「誰かの〇〇」ではない、「わたし」自身が社会に受け入れられていると感じる「ワーキングマザー」も多いです。社会とつながることは、「母」や「妻」としての自分だけでなく、「わたしらしく」生きることに肯定的になります。また経済的に自立しているということが、精神的に楽だ、という人もいます。
ここまで、代表的な共働き家庭の子育てのメリットを見てみました。メリットがあれば、もちろん問題点もあります。
次は共働き子育ての問題点を見てみましょう。
共働き夫婦の子育てー問題点
問題点1:家事の分担がうまくいかない
仕事していると、家にいる時間が少なく、限られた時間でしなくてはならない家事がたくさんあるので、夫婦間の協力は必須です。しかし、なかなか現実的には難しい家庭も。共稼ぎ世帯が、いわゆる「ワンオペ」育児に陥ると、ママに負担がかかりすぎ、仕事を続けるかどうか、という大きな選択をしなくてはならなくなるかもしれません。
問題点2:子どもとのコミュニケーションの時間が限られる
仕事をしていると、家にいる間にしなければならない家事がたくさんあります。そのため、どうしても子どもとの時間がとりづらくなってしまいます。保育園から帰宅したら「夕食→お風呂→寝かしつけ」と時計を見ながら、流れ作業かのようにこなしていく…なんてこともあります。少しの時間でもスキンシップをとったり、休日に思いっきり遊んだり、といろんなやり方で子どもとのコミュニケーションの時間は確保したいですね。
問題点3:子どものことで周りに迷惑をかけてしまう可能性がある
子どもの小さいうちは急な発熱で早退や欠勤をしなくてはいけないことがあります。子育てをしながら仕事をしているうえで、これは避けては通れないことなのですが、やはり職場に迷惑をかけてしまうことは否めません。
また、子どもを迎えに行く時間があるため残業ができず、仕事の進捗や、職場のほかのメンバーに負担をかけてしまうことも…。夫婦で交互に休んだり、いざというときのために、近くに頼れる人やサービスをみつけておくことが必要になります。
これらが、共働き夫婦の子育てに起こりがちな問題点です。
では、わたしたちはどうすればいいのでしょうか?
仕事と生活、どちらもとても大切です。そして、長く続けていくもの。どこかに無理があると、そこからバランスが崩れていってしまいます。でも、ちょっとしたコツを知っていたら、今よりももっと楽になりますよ!
共働き夫婦が子育てと仕事を両立させるコツ
家事編
やり始めると終わりの見えない家事。時間に制約のある子育て中の共働き夫婦にとっては、どれだけ家事を楽にすることができるか、が大切です。
【家事】コツ①ネットスーパーを活用する
子どもを連れてのスーパーでの買い物はなかなかの重労働。時間もかかるし、重くなった買い物袋を持って帰るのはとても大変です。そこでネットスーパーの登場です。外へ出ることなく重い荷物も自宅まで運んでもらえるのは大きなメリット。家で冷蔵庫の中身を確認しながら、注文できるので買いすぎることもなく、節約もできますよ。
大手スーパーには、ほぼネットスーパーがありますが、利用時間や手数料に違いがあるので、一番使いやすいところを探してみてください。
【家事】コツ②ミールキットを利用する
毎日の食事の献立を考えるのって、結構時間がかかりませんか?ミールキットを利用すれば、このストレスから解放されます。専門家がしっかり栄養面も考え抜いたメニューが提供されるので、子どもの栄養バランスも安心です。また献立の時間だけではなく、調理の時間もグッと短くなりますよ。なんと、およそ20分程度で夕食が完成。いつもよりゆっくり家族で夕食を楽しむ時間ができるかもしれません。
利用する回数やコースはその都度調整できるので、いろんな会社のミールキットを試してみて、家族のお気に入りを探してもいいですね。
ミールキットはちょっと敷居が高い、という方はスーパーのカット野菜などを活用してください。野菜を切る時間とゴミがなくなると、思っているよりも調理がスムーズに進みますよ!
【家事】コツ③時短家電を導入する
共稼ぎ世帯に時短家事は必需品です。時短家電とは、乾燥機付き全自動洗濯機や食器洗い乾燥機、ロボット型掃除機、自動調理器などなど。子育て世代には特にロボット型掃除機はおススメですよ。子どもがいるとなかなかできない掃除機がけが、家にいない間に終わっている。帰宅してドアを開けると、きれいな床が見える、というのはとても気持ちがよく、そのあとの家事へのモチベーションが高まります。
また、自動調理器はセットさえしておけば、味見や火加減を気にしなくていいので、その時間を使って他の家事をすることもできます。
【家事】コツ④家事代行サービスを頼む
ちょっと前まではお金持ちの特権のように思っていた家事代行サービスもかなり身近な存在になりました。自分たちだけではどうしても、うまくいかないときには、プロの手を借りることも賢い選択肢のひとつです。時間も節約できますし、何よりプロの手によるサービスのクオリティはやはり仕上がりが違います。
各社様々なプランで家事代行サービスを提供しているので思っているよりもお手軽な価格で利用できるところもあります。探してみてください。
子ども編
忙しければ「後回しに…」とできる家事とは違い、子どもに関することは一番優先したいこと。「きちんとあなたのことを気にかけてるよ」という親の気持ちが子どもにしっかり伝わるようにしましょう。
【子ども】コツ①少しの時間でもコミュニケーションをとる
共稼ぎ世帯では、どうしても子どもとのコミュニケーションは不足しがち。ほんの少しの時間で構わないので、ちょっと子どもの話を聞くように心がけてみてください。朝、女の子なら、髪の毛をまとめてあげながら、夜ならお風呂に一緒に入りながらなど、「ながら」で話をきくと、忙しい時に言ってしまう「またあとで聞くね」を言うことなく、耳を傾けやすいです。
なかなか話してくれない子どもには「今日の給食、おいしかった?」など、「Yes」か「No」で答えられる質問から始めることをおススメします。
【子ども】コツ②一緒に楽しめるものを見つける
休日は子どもに合わせたイベントやお出かけだけでなく、親も子も一緒に楽しめるようなものをみつけましょう。子どもの年齢にもよるかもしれませんが、大人が見ても楽しめる映画や、子どもも参加できる内容のクラシックコンサート、最近では謎解きゲームなども人気です。大きくなるにつれ、一緒に行けるイベントも増えるので、子どもの成長具合に感動することも(笑)。
「子どものため」だけでなく、自分も一緒に楽しめるイベントに参加すると、子どもとのコミュニケーションはもちろん増えますし、親のリフレッシュにもなりますよ。
親編
親であるわたしたち自身にも、共働きを続けるためにちょっと気をつけておきたいことがあります。
【親】コツ①週に1度はスケジュール確認して作戦会議を
パパとママ、週に1度はお互いのスケジュールや子どもの行事などを確認する作戦会議を開きましょう。「もうさすがに分かってるでしょ!」と思うようなことですら、残念ながら、意外と分かっていません…お互いの仕事の繁忙期などを把握し合うと、保育園や習い事の送迎、突発的な子どもの病気の対応など、二人で緊密な連携がとれるようになります。
お互いの仕事への理解も深まり、思いやりも生まれるはずですね。
【親】コツ②自分の時間を確保する
仕事と家事、育児と目まぐるしく動いていると自分の時間をなかなかとることができません。自分の時間がとれない日々が続くとストレスが限界に…そうなると、ストレスから必要以上に子どもに怒ってしまったり、といいことはありません。
「わたしばっかり…」ということばがでてきたら、赤信号です。きっとかなり無理しています。そんな時は贅沢だと思わず、一人の時間のためにお金を使ってください。
まとめ
共働き夫婦の育児と家事、そして仕事の両立は簡単ではありません。ですが、得られるメリットもたくさんあります。
両立の一番のコツは完璧主義にならないこと。楽をできるところは楽をしてしまいましょう。頑張りすぎないで、ときには肩の力を抜いて、ゆっくりしてください。
そこで生まれた時間を家族みんなの団らんの時間に使ってもらえますように!