大人も子どもも大好きなカレー。家や外出先で食べる機会は多いですよね。
しかし、カレーは衣類に付着してしまうと、なかなか落ちにくいです。特に外出先でカレー染みがついてしまうと、慌てたはずみでNG行動を取っている人もいます。
そこで今回の記事では、主に3つの内容をまとめます。
- カレーの染みが落ちにくい理由
- カレーの染み抜き方法
- 染み抜きがすぐできない時の対策
汚れた場合の応急処置もふまえて、ぜひ参考にしてみてください。
また、カレーが冷蔵庫でどれくらい日持ちするかについてはこちらの記事にて解説しています。
「常温で保存はNG!」カレーは冷蔵庫で何日もつの?日持ちさせる方法を解説
目次
カレーの染みが落ちにくい理由
カレーの染み抜きで苦労をした経験がある方も多いと思います。
カレーの染みが落ちにくい理由は2つあります。
- 水溶性と油溶性が混合しているから
- クルクミン色素が含まれているため
それぞれ解説していきます。
水溶性と油溶性が混合している
カレーの汚れは水に溶けやすい「水溶性」と、油に溶けやすい「油溶性」が混ざっている「混合性の汚れ」です。
一般的に染みを分類すると3つに分けられます。
- 水に落ちやすい水溶性のシミ
- 油に落ちやすい油溶性のシミ
- 水にも油にも溶けない不溶性のシミ
カレーは水だけで洗っても落ちない、かつ、油だけでも落とせない複雑な性質を持っています。したがって、他の汚れと違って、落とすのに苦労するのです。
クルクミン色素が含まれている
カレーにはターメリックというスパイスが使われおり、この中に含まれている黄色の色素を持つクルクミンという成分が、染みを落ちにくくさせている大きな原因です。
クルクミンの色素は、天然の着色料として使われるほど沈着性が強いので、衣類についてしまうと繊維を染めてしまいます。
このようにカレーの染みは落としにくい要素が詰まっているので、正しい染み抜き方法を選ぶことが重要です。少しでも早く取り除くことで、綺麗に落としやすくなります。
カレー染み抜き前に確認する注意点
カレーの染み抜き前に、衣類が水洗いできるかどうかを確認しましょう。
- 洗濯表示をチェック
- 色落ちの有無をチェック
水洗いができない場合、染み抜きをすることで、お気に入りの洋服を傷めてしまう場合もあります。また、デリケートな素材も同様に注意が必要です。
カレーが付いてしまったら、まずは洗濯表示のタグを要チェックです。
洗濯表示をチェック
「家庭で洗えるか?」「洗えないか?」をチェックするために、衣類には「取り扱い表示」という記号が記載されています。
特に次の2つにマークに注目しましょう。
- 洗濯桶のマークの数字
- 洗濯記号
それぞれ、みていきましょう、
1.洗濯桶のマークに数字が書いてあれば洗濯機洗いOK
洗濯表示に洗濯桶のマークがあり、中に数字が書いてあれば家庭用の洗濯機で洗っても問題ありません。数字は液温の上限を示しています。例えば「40」と書かれていたら「40℃以下」のお湯で洗えることを意味しています。
洗濯桶に手を入れているマークは「手洗い」ができることを示しています。この表示が付いていても、衣類の傷みを抑えて優しく洗いあげる「衣類専用のコース」があれば洗濯機洗いも可能です。
ただし、型崩れや縮みやすいニットは手間がかかりますが、手洗いをしましょう。ニットやセーターの手洗いについては「【自宅で出来る】セーターの手洗い方法と干し方」の記事で解説しています。
2.洗濯記号の意味を理解する
洗濯表示のマークには5つの基本記号があります。
- 家庭洗濯
- 漂白
- 乾燥
- アイロン仕上げ
- 商業クリーニング
カレーの染み抜きでは「家庭洗濯」と「漂白」のマークがあるか注目しましょう。
洗濯桶や漂白の記号の上に「×」がついている時は禁止を示しています。例えば、洗濯桶のマークに「×」がついていたら、洗濯機洗いも手洗いもできないで注意してください。
より詳しい表示の解説は「JIS 洗濯表示(消費者庁公式HP)」に掲載されています。
色落ちの有無をチェック
色柄物の衣類(特に濃い色のもの)や、初めて洗う衣類は、必ず色落ちテストを行なってから染み抜きをしましょう。
- 食器用中性洗剤を衣類の目立たないところにつける
- 数分後白い布で軽く叩く
- 色がついたら家庭での洗濯では色落ちする
チェックの段階で色落ちをしてしまった場合は、家庭での染み抜きは諦めて、乾いたティッシュなどでカレーの汚れをつまみとる程度にします。早急にクリーニングに出しましょう。
カレーの染み抜き方法
家庭洗濯が可能で色落ちしないことが確認できたら、早めに染み抜きに取り掛かりましょう。カレーの染み抜きはいち早く行うことで汚れが落としやすくなります。
(染み抜き方法)
- 基本的なカレーの染み抜き
- 頑固なカレーの染み抜き
- デリケートな衣類についたカレーの染み抜き
それぞれ、みていきましょう。
基本的なカレーの染み抜き
まずは、すぐに取り掛かれる場合の基本的なカレーの染み抜き方法をお伝えします。
(用意するもの)
- 食器用中性洗剤
- ティッシュ
次に手順を紹介します。
(手順)
- ティッシュで大まかなカレーの汚れをつまみ取る
- カレーの染みの部分に食器用中性洗剤をかけもみほぐす
- ぬるま湯で洗い流す
食器用洗剤に含まれている界面活性剤は、繊維の中の油溶性の汚れと結びつき、水と一緒に汚れを流してくれる性質があります。ぬるま湯で洗うことで粘度が下がり、取りやすくなります。この手順を何回か試してみましょう。
頑固なカレー汚れの染み抜き
頑固なカレー汚れの染み抜きを紹介します。
食器用洗剤での洗いを繰り返しても色が残っている場合は、歯ブラシをプラスします。そして酸素系漂白剤や重曹を使ってみましょう。
2つのアイテムはどちらも洗浄に役立ちますが、役割は異なっています。
- 酸素系漂白剤
→衣類の漂白、染み抜きに効果的 - 重曹
→衣類の油汚れを中和する役割
ちなみに漂白剤には塩素系と酸素系漂白剤の2種類があります。塩素系漂白剤は強力なので、服の色落ちや型崩れを起こしやすくなります。そのため酸素系漂白剤をおすすめします。
まずは、酸素系漂白剤を使用してカレーの染み抜きを行なってみましょう。
(用意するもの)
- 食器用中性洗剤
- タオル
- 歯ブラシ
- 酸素系漂白剤
次に手順を紹介します。
(手順)
- カレーの染みの部分に食器用中性洗剤をかけ、染みの下にタオルを当てる
- 歯ブラシで染みをトントン叩く
- ぬるま湯で洗い流す
- 染みに酸素系漂白剤を含ませる
- 洗濯機の標準コースで洗う
歯ブラシを使用するときには「こする」イメージではなくて「染みを移す」イメージで、タオルにトントン叩きましょう。染みを広げないよう、周りから中心に向かって叩くのがコツです。
1~3を何度か繰り返しても染みが残っている場合は、酸素系漂白剤を含ませる工程に移ります。漂白剤を衣類に直接つけることで効果が高まります。酸素系漂白剤なら色落ちの心配が少ないので、安心して使えます。
また、頑固な汚れをとるために「つけおき洗い」の方法もあります。
桶などに水か50℃以下のぬるま湯に規定量の酸素系漂白剤を混ぜ、汚れのついた洋服を浸します。汚れが落ちたのを確認したら、手洗いでよくすすいで洗濯機で洗いましょう。このとき、つけ置きは2時間以上放置しないように注意しましょう。
汚れをつまんでトントン叩いてもなかなか取れない場合は、この方法を試してみましょう。
次に、重曹を使用してカレーの染み抜きを行ってみましょう。
(用意するもの)
- 食器用中性洗剤(※3滴)
- 酸素系漂白剤(※小さじ3杯)
- 重曹(※小さじ3杯)
- タオル
- 歯ブラシ
※はあらかじめ混ぜておきペーストを作っておきましょう。
(手順)
- カレーの染みの部分にペーストをぬり、染みの下にタオルを当てる
- 歯ブラシで染みをトントン叩く
- ぬるま湯で洗い流す
- 洗濯機の標準コースで洗う
基本的な流れは同じです。
重曹はアルカリ性なので、油汚れやタンパク質を分解する働きがあります。しかし、デリケートな洋服の場合は、傷めてしまう可能性があるので使用を控えましょう。重曹については「重曹とは何か?家事代行のプロが教える良い点・悪い点」の記事で解説しています。
デリケートな衣類についたカレー汚れの染み抜き
次に、デリケートな衣類やおしゃれ着にカレーがついてしまったときの染み抜き方法を紹介。先ほどと使うアイテムが、少し変わります。
(用意するもの)
- テイッシュ
- クレンジングオイル
- 小皿
- タオル
- 数本束ねた綿棒
次に手順を紹介します。
(手順)
- ティッシュで大まかなカレーの汚れをつまみ取る
- 水とクレンジングオイルを1:1の割合で混ぜる
- カレーの染みにクレンジングオイルの水を馴染ませる
- 染みの下にタオルを当てて束ねた綿棒で染みをトントン叩く
- 流水し、表示に従って手洗いなどで洗濯する
揉みほぐすと生地を傷める可能性があるので軽くトントンする程度にとどめましょう。
水洗いができない衣類など、お家で洗濯できない服を染み抜きすると生地を傷めてしまうことがあります。
- 縮む
- 色落ちする
- 表面が毛羽立つ など
そのため、洗濯表示はよく確認しましょう。
デリケートなお洋服を扱うのが心配な方は、無理に落とさずクリーニング屋さんに早めに持ち込みましょう。
クリーニング屋さんは「ドライクリーニング」と言って、水を使わずに特殊な溶剤で汚れを落としてくれます。水を使わないので繊維へのダメージや形崩れが少なく染みをきれいにしてくれますよ。
(その他)直射日光に照らす
洗濯表示で天日干しがOKとなっていれば、仕上げで日光に当てることをおすすめします。
実は、クルクミンは紫外線によって色素成分が分解され薄くなる可能性があります。酸素系漂白剤や重曹で洗っても、染みが残ってる場合はお試しください。
ただ紫外線は衣類によっては色あせなどにもつながるので、長時間の外干しは避けましょう。陰干しを推奨している衣類は、食器用洗剤や漂白剤でのシミ抜きで対処しましょう。
カレーの染み抜きがすぐ出来ない時の対策(応急処置)
外出先でもカレーを食べることはありますよね。特にお子様がいる方は頼む機会も多く、エプロンをつけても思わぬところに付いてしまいますよね。お店でこぼしてしまった場合は、これまで紹介したようなやり方はできません。
しかし時間が経つほど落としにくくなるので、応急処置を知っておくと役立ちます。
(用意するもの)
- ナプキンやティッシュなど(お店にあるものを使用)
次に手順を紹介します。
(手順)
- ナプキンやティッシュで固形物を取り除く
- ナプキンを少し濡らし、染みがついた部分を押さえる
- 汚れが付いたらナプキンを取り替えることを繰り返す
- 色移りしなくなったら乾いたナプキンで水分を吸収させる
応急処置のポイントは3つあります。
- 乾いたテッシュで固形物をつまむ
- 汚れをこすって広げない
- お店のおしぼりを使わない
汚れてしまうとお店のおしぼりでゴシゴシ拭き取りたくなりますが、NG行動です。まずは乾いた布類で汚れをつまみとりましょう。
お店のおしぼりは塩素系漂白剤で処理されている可能性があります。おしぼりに塩素系漂白剤が残っている場合は、衣類の色や柄が落ちてしまうことがあるため、使わないようにしましょう。
間違った対処をすると落ちなくなる場合もあるので、外出先では「乾いた布で早急につまみとる」ことを意識しましょう。
帰宅したらご紹介した方法で染み抜きをしてください。
「酸素系の液体タイプ」を手元に置いておこう
これまでカレーの染み抜きには酸素系漂白剤が役立つことをお伝えしました。
漂白剤は大きく分けて3種類あります。
- 酸素系
- 還元系
- 塩素系
その中でも「酸素系の液体タイプ」は、ご家庭に1つあるとカレーの染みだけではなく日常的な場面でも使用できます。日常で軽く付いている汚れを落とすことができ、扱いやすく失敗も少ないのでおすすめです。
単体で使うよりは洗剤と併用することで、通常の洗濯よりも効果を高めることが期待できます。液体タイプの主成分は過酸化水素で弱酸性です。色柄物に使用しても、色落ちしてしまうことがほぼ無い上、デリケートな繊維である毛や絹にも使用できます。
毎日の洗濯の中で「このまま洗濯しても汚れが落ちるかな?」「手洗いしたけどまだ汚れが気になるな」というときに、手軽に使用できるのがメリットです。商品のパッケージに記載されている使い方や成分は、事前に確認してくださいね。
まとめ:カレーの染み抜き汚れは素早く対応しよう
カレーは、一度付いてしまうと落としにくい嫌な汚れです。これまで、カレーが付いてしまったら、綺麗にすることを諦めていた人も多いと思います。しかし、今回ご紹介した方法を素早く実践すれば、カレーの染みを落とせる可能性はあります。
- 基本的なカレーの染み抜き
- 頑固なカレーの染み抜き
- 応急処置
特に外出先では慌ててしまい、間違った行動をしがちです。「乾いた布でつまみとること」が最優先の行動であるということを覚えておきましょう。正しい手順でいち早く対応することが、カレーの染み抜きのコツです。
同じ服の汚れでも、付着するモノによって落とし方は異なります。
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